涙を隠して戦い続けた
あの忌々しい火星に到着、というより降りた時、俺とナマエは違う飛行船で脱出したんだ。


襲撃を受けた後だ、誰も油断なんざしちゃいなかった。だが、テラフォーマーズ達は俺達の予想を、希望を裏切りやがった。


「なんで、バグズ2号のっ!?」


他の奴らの所にも現れているのか?小吉の前には…
秋田さんでないことだけを祈るしかない。俺も、仲間の死を引きずてちゃ話になんねぇ。前に進まなきゃいけねぇんだ。


「ミッシェルが螻蛄に会ったんだってな。」


「あぁ、俺は…秋ちゃんだったよ。」


なんて無力んなんだろうか。重要なのは姿形ではない、そう区切りを付けて置いてきたかつての仲間達。そして今、彼らの能力を持った害虫どもが目の前に居る。遺体を弄ばれたことに激怒しそうだ。だが、それ以上にあの日彼らを置いて行ってしまった自分たちの決断に虫唾が走る。


「おい、アシモフ。さっさと片付けるぞ。」


中国が本性を現し、小吉がやられた。ロシアが援護に来てくれたが…。


「おいおい、嘘だろ。ここで、トンボかよっ。」


勘弁してくれよ。中国だけでも面倒くせぇのによ。


「じっ、じょ、じ、じじょじ、」


「今度はなん、」


何だよその腕は、その触角は。おかしいだろ。


「いくらなんでも早すぎじゃねぇかぁぁぁああああ。」


対面しているのはナマエじゃねぇ。


だが、目の前の害虫に面影がチラついて話になんねぇんだ。
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