変態の頭は空っぽです。
「…・まい〜♪」
食堂の一画に不審な空間ができている。他は全部それなりに埋まっているのだが、その空間には女が一人。
『何やってんだあの変態…』
息を飲む周囲を尻目に、その変態の元へと足を向ける俺。お前らね、そんな顔で見るんじゃねーよ。これはあれだ、心配なだけだ。他意はない。
「うふふふふ。」
背後に立っても気付かないって、コイツ本当に火星に連れて行っても大丈夫か?小吉、今ならまだ間に合う。考え直さないか…?というか、何だこの机の上は…
「このミッシェルちゃんも、うへへっへ堪らんですなぁ」
机一面に散らばる我らが副長の写真。どれも視線はてんでバラバラ。
『盗撮、だな。』
「ん〜こっちも捨てがたいっ!!」
何が捨てがたいだ。周りドン引きじゃねーか。
「ん?ティンさん!」
「んぁ?やっと気付いたのか?」
良くあの状態で気が付いた「影が邪魔で、ミッシェルちゃんが綺麗に見えません!?」
絶句。
マジかよ。影が邪魔って…
「早くどいてくださいよティンさん!」
せめて横にって、お前本当に馬鹿だろ。俺、お前の上司だぞ。
「お前も大変だなっ!」
人事じゃねーぞ小吉。俺達船員の汚点だ。とりあえず、
「てめーはいい加減にしろ、変態が。」
食堂にスパンといい音が響いた。
変態の頭は空っぽです
(いたっ、何で叩くんですか!?)
(俺上司、お前部下。)
(パワハラです!パワハラ!!)
あとがき
ティン様第二弾でした!!
9巻も美しいですね、ミッシェルちゃん!
お目汚し失礼いたしましたっ!!!!!