ふれた幸せ

この作品では、アドルフさんは既に離婚されています。












元嫁と離婚して数年。『二度とあんな思いをしたくない。』最初はその気持ちばかりで、人を好きになることなんてもうないと思っていた。これが現れるまで。



「アードルフさんっ?」


ふわりとかけられた声は心地よく耳に響いた。エプロン姿のナマエ、部屋に漂う美味そうな匂い。まどろみから引っ張り出された俺は、漸く夕飯ができたのだと理解する。


「今日の飯は?」


「うふふ、ロールキャベツに挑戦してみました。」


美味しく出来てるといいな、なんてはにかむもんだから、程良く括れた腰を引き寄せてしまった。ソファーの上、俺は膝の間に居るナマエを抱きしめる。腕の中の体温がじんわりと俺を侵食していく。こういうのを『幸せ』って言うんだろうな…


「こんな甘えたさんになっちゃって、どーしたんですか?」


「…ナマエ、そのっ、幸せか?」


目を見開く彼女。俺も、この質問は野暮だと思う。が、不安なんだ。前のことがあるから…。だから、怒らずに俺の望む言葉を言ってくれ。


「はいっ、すっごく幸せです!」


嘘なんて影形も見えない、真直ぐな言葉。ようやく手に入れた幸せを逃がさないように、腕の力が強まった。





ふれた幸せ





(ふふふ、くすぐったいですね。)


(あぁ。晩飯、食うか。)







あとがき
リハビリ作品です!!


短いね。よくわかんないね…元からだけど。自分で泣き出しそうです。


駄作でしたが、お目通しありがとうございました!!!!
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