ホームにてノックアウト
*attention
この作品には嘔気等の言葉が使用されており、若干汚い感じになってます。


上記内容が苦手な方は閲覧をお控えください。事後に気分を害された等の報告を受けましても、管理人は責任を負いかねますことご了承ください。


ばっちこーいという方のみお進みください。



























人間を運のいい人、悪い人に分類するなら、私は断然後者だ。


自慢じゃないが、生まれてこの方、くじ引きでポケットティッシュ以外を当てたことはない。さらに言えば、おみくじでも大凶か凶しかお目にかかったことがない。


しかし、今日は異常だ。おかしい。


今日は講義が昼からだったので、昨日は遅くまで友人達とパブで飲み明かした。酒に弱い方ではないし、そんなに飲んでいない。筈だった。けど実際には、どうやって帰ったのか全く覚えていない。しかも、めちゃくちゃ頭痛い。完璧な二日酔いだ。この時点で最悪な一日覚悟した。


そしてこれだけに留まらないのが、私の凄いところだと思う。憂鬱な気分に嘔気。それらと格闘しながら、時間を確認した瞬間全てが吹っ飛んだのだ。午前中の予定、10時から12時までピンチヒッターでシフトに組み込まれていた。電子版が指示している時間は9時40分。バイト先までは約20分。ありえない、目覚ましかけ忘れた。寝巻のジャージのまま、化粧もせず自転車に飛び乗る。ふざけんな、絶対間に合わしちゃるし。


かっとばした結果、お店に着いたのが9時56分。奇跡の4分。ホッとしたのもつかの間、思い出したかのように襲ってきた嘔気に店のトイレに駆け込んだ。やっと治まって、レジに付く。だが、気分は悪くなる一方。当たり前だ、私が勤めているバイト先は飲食店。しかも、アメリカ特有の脂っこいメニューが勢揃いしている店。胃がぐるぐるしてる。早く退勤時間来い。そしたら、二日酔いの薬買って…なんて考えながらも、日本人お得意の営業スマイルを絶やさなかった私を褒めて欲しい。店内に飾ってある時計が11時30分を指した。良し、後30分。


しかし、この残り30分に神は私を見離した。


奥に座っていたボーダーニット帽被った男が突然立ち上がり、何かが割れる音が響いた。その瞬間、店内に白い煙みたいなものが立ち込める。すっごい煙たい。火事か?そう思ってたら、ボーダー男がやって来てレジ金を出せと消火器片手に脅して来た。何でだろ。間抜けにしか見えないんだけど。二日酔いと煙たさのダブルパンチで死にかけている私と急かすボーダー男。極め付けが強盗と対峙するとかほんと最悪じゃん。運が悪いにもほどがあるんじゃない?


ふと白い視界に黒いもじゃもじゃが動いた。なんかヘッヘッって動物の声もする。それらに気付いたボーダー男が黒もじゃもじゃと対峙。あれ、なんかあの黒もじゃもじゃが輝いて見えるんだけど。煙で顔も何にも見えないのに。ガンと何かが落ちる音がして、ボーダー男の姿が消える。続けてガン、ゴッと鈍い音が店内に響いた。


騒がしい音とともに、店のドアが開けられ白い煙が外へ出ていく。レジの近くに、伸びたボーダー男。その傍にパグと額を擦る黒いもじゃもじゃヘアの男性が居た。未だに輝く黒いもじゃもじゃさんを見つめていると、それに気が付いた彼が血相を変えて私に話しかけてきた。


「だ、大丈夫ですかお嬢さん!?」


「え、あ、だいじょうぶです、」


「無理しなくて大丈夫ですよ!強盗は私が退治しましたし!!」


どうしよう、目の前のもじゃさんがめっちゃ輝いて仕方ない。しかも、何かこみ上げてくる物があるし。母さん。母さんの言ってた通り恋は突然やってく…


違うと分かった時にはすでに手遅れで、こみ上げてきた何かがお口からお目見えしました。




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(なまえちゃん、何ニヤニヤしてるの?)


(ムっちゃんとの出会い。最悪だったよねー。)


(そうだね、強烈だったよ…)












あとがき
我ながら汚いお話になってしまいました。ごめんなさいです。


因みに、ムっちゃんが輝いて見える=瀕死で涙が滲んでいたため。込上げるもの=胃液的な何か。でした、はい。


駄作でしたが読んで下さってありがとうございました!!!!


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