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壊れた人形


愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛して愛シてる愛しテル愛シテル愛してル愛シテ愛シテ愛シテル愛シテル愛シテル愛シテル愛シテル愛し愛て愛シテ愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛。


愛シてル。



一体、どこで間違えてしまったのだろう。一体、どこで狂わせてしまったのだろう。
私は、どこで誤ってしまったのだろう。私は、私は、私は、私は。

「あ、あ…ぁ」

「もう、鬼ごっこはおしまい?梓紗」

ギラリと光を反射させ、刃が光りを放つ。それを手の中で玩具の様に弄びながら、一歩一歩、まるで自分の行動を知らしめるかのように、ゆっくりと歩み寄ってくる。

「っ、こ、来な、い…っで」

「どうして?俺はこんなにも梓紗を愛しているのに?」

「っ!」

一歩下がれば、一歩近づく。気がつけば、背に壁が付き、それ以上下がる事が出来なかった。

「い、や…や、だ…「何が?何が嫌なの?ほら、言ってみなよ」っ…」

もうその顔は目の前にあって。ギラギラとした赤い目が、まるで獣みたいに光ってる。

「や、めて…いざ、や」

「そんな事言ったって、梓紗が悪いんでしょ?俺に無断で池袋に来て、おまけに紀田正臣君達とランチ?楽しかった?彼らとのランチは」

「っ……け、て……」

助けて、助けて、助けて、

「し…ず「なんでシズちゃんなの?」

強く叩かれた頬。そのまま髪を掴まれ、腹部に鋭い蹴りが入る。
圧迫され、吐き出された空気と一緒に、口端から僅かに胃液が零れた。

「ほんっ、とうに梓紗は分からず屋だね。なに?そんなに俺に嫉妬させたいの?それって俺にもっと愛されたいって事だよね」

好き勝手な発想で出て来る言葉に反論の言葉が頭に浮かぶが、未だに吐き出された空気の反動で咳き込みが続き、ちゃんとした言葉が出て来なかった。

「大丈夫だよ、梓紗。俺は君を愛してる。それはもう、言葉では表せないくらいにね。もう愛し過ぎて愛し過ぎて愛し過ぎて愛し過ぎて、ただひたすら君だけを愛してる!!!この世界に存在する人間の中の誰よりも君ただ一人を愛してる!!不安になんてさせないよ、俺は君しか見てない。だから安心してよ、俺に嫉妬させるなんて二度と思えない様に、ずっと君を俺の傍に置いてあげる!!部屋も食事も、何でも俺と一緒だ!!幸せだろう?俺も君を愛してる!!そして君も俺を愛してる!!」

「あ…ぁ、っ…い、ざ…や」

どうして、どうして、どうして、どうして、

「梓紗、ずっとずっと、一緒だよ」

何が間違いだったの?どこで、外れてしまったの?

「一緒に行こう、梓紗」


Я поймал его сумасшедшим
(どこにも逃がさない、俺の、俺だけの梓紗)

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