小説 | ナノ


欲しいのは、ただ“お前だけ”

『“愛”などいらない』同ヒロイン


「愛」とは何ですか?
「恋」とは何ですか?
幾ら問われても
俺は答えられない
分からんと言えば
切なそうに俯く
「好き」とは何ですか?
「愛してる」とは何ですか?
答えを求める様な視線
あの視線に何も返せない
伝えられない
あいつに
「それ」は何ですか?
「あれ」は何ですか?
分からない
愛とは何ですか?
恋とは何ですか?
好きとは何ですか?
愛してるとは何ですか?
貴方も分からないのに
私はどう理解すればいい?
分からない
分からない
心というモノが、感情が
分からない
分からない
分からない
分からない



「アリア」

「はい、ウルキオラ様」

「任務だ」

「分かりました」

名を呼べば、直ぐ様反応が返ってくる。主と従属官、ただそれだけの関係。だが、あいつの声を聴けば、あいつの姿を見れば、自然と落ち着きが持てる。たとえ乱れがあっても、それさえもあいつは安らがせる。

「あ、4番さん!また藍染様からの任務?大変だね〜。アリア〜♪今日も会えて嬉しいよ〜♪」

「…ルピ・アンテノール」

ワザとらしく手を振りながら歩いてくるルピ。何か、もやもやとしたような煩わしいモノが浮かんだ。

「いいなぁ、羨ましいなぁ。また4番さんはアリアと二人きりで任務かぁ〜。いいなぁ、いいなぁ…ねぇねぇ4番さん、アリアを僕に頂戴よ。僕、アリアが欲しいんだよ」

「申し訳ありません、ウルキオラ様。あの輩は今すぐに退散させますので、どうかお気になさらないで下さい」

「アリア酷い〜。こぉんなに僕は君を愛しているのに。ねぇ4番さん、頂戴よ」

「ルピ・アンテノール、いい加減にしろ…!」

無意識にアリアの腰を引き寄せる。意味は無い。ただ無性に、無性に苛立ちが募っていく。

「ウ、ウルキオラ様…!」

「なに〜?珍しいね、4番さん」

「アリアはやらん。こいつは俺の従属官だ。消えろ、ルピ」

煩わしい。この男が。アリアに触れようとするこいつが。

「ムカつくなぁ…ムカつくよ、4番さん」

「……………………………」

「アリアが自分“だけ”の従属官だと思ってる?アリアは君のじゃないんだよ。なのにアリアは自分のモノ発言?いくら4番さんだからって調子に乗り過ぎじゃない?ムカつくなぁ、ムカつくなぁ」

「そこまで欲しいのなら、実力で何とかする事だな」

「…っ!」

「行くぞ、アリア」

「はいウルキオラ様」

誰にとて渡さん。こいつだけは、誰にも。

「…ウルキオラっ…!!」


「愛してる」と呟けば
「欲しい」と囁けば
お前は一体何と言う
また意味が分からず首を傾げるか
俺はあいつの傍に居る
あいつさえ居れば構わん
あいつが俺に反応する
あいつが俺の傍に居る
それだけでいい
それだけで十分
だから貴様は邪魔だ
誰にも触らせはしない
「気持ち」など知らんでいい
「気持ち」など持てなくていい
あいつが全て
あいつが我が命
「ウルキオラ様」と見てくれれば
「ウルキオラ様」と居てくれれば
俺は、それで構わない


"Se necesita una más" Solo me quede solo
(誰にも渡さない)(絶対に、僕のモノにしてやる)

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