■ こんにちは

これって犯罪じゃ?
己の上で顔を赤らめている少女を見ながら、左近は思う。
時刻21時36分41秒。
場所、島左近の住むマンション。寝室。
使い古したベッドの上。男女2人。
ここまで聞けばいい響き、大人の時間を楽しむにはどこにでも溢れているシチュエーション。
左近は今年27歳になる会社員。体の交わりなんて始めてではなかったし、そういうことをしたいという欲求も当然ながらある。素敵な胸を晒されれば揉みたいし、足を開かれればいれたい。女の子は大好きだから誘われれば飛び付くのがいつものこと。
しかし、今回は違う。簡単に飛び付いて、いいような相手ではない。
なんせ相手は、相手は、
「み、三成さま…?」
前世での上司で、左近が憧れとしていた存在。気高く美しい石田三成さま。そんな人に今、何百年か経ったあとに迫られているなんて。人生どうなるかわからないものだと思ったが……残念ながら問題はそれだけではなかった。
転生した三成は、左近の愛してやまない女の子だったのだ。しかも年が10個ほど離れたリアルJK。
そんな彼女が顔を真っ赤に染めながら、風呂上がりにタオル1枚で、左近をベッドの上に押し倒している。恥ずかしさからか涙に濡れるつり上がった目も、成長途中の体も左近を誘っていた。
「さ、こん、さこん、すき、すきだ」
だから、だから1度でいいから抱いてくれ。
興奮を押さえきれなくなった三成の口から甘い言葉が漏れる。
据え膳食わぬはなんとやら、とは言うけれど、さてさてこれはと左近の頭の中で理性と本能が戦争をはじめた。




2015/08/02 23:01
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