それでも切っていれば段々と減ってくるもので、少しずつ休みながら斬り倒す余裕が出てきた。

別にこの拠点を取らずとも大将を倒してしまえばそれで終わりなのだ。
遠くで勝ちどきの声が聞こえる。ほらね、終わった。
けれど、私の仕事はこの陣の人間を護る事。

強襲が途切れ途切れになってきた頃、緑色の着衣の将が現れた。
冷たそうな目がその綺麗な顔立ちを引き立てていた。

きっと、私はこの人には敵わない。
ならば、無駄なあがきはすまい。
刀を納めて私は口を開いた。

「ここの陣は欲しいのならあげるから、此処の人達は見逃してあげて欲しいな」

私が此処にいる限りその言葉はきっと信じては貰えないだろう。
だから背を向けてその場を立ち去る。

何処かでまた会いそうな、そんな予感を携えて。



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