「この感覚は…」

莉央が眉を潜める。
だてに国直轄にして唯一の陰陽師をやっている訳ではないらしく何かを察知した様だった。

「こっくりさんってこんな現象起こせるの?てかそもそも、ちゃんと喚べるもんなの?」

深夜の視線が莉央に向く。
莉央は何とも言えない微妙な表情を浮かべつつ口を開いた。

「そんな訳無いでしょう?だって子供騙しの遊びよ?喚べてせいぜい低級霊だって言ってるじゃないの。だというのに、この異常事態って事は単純に僕達が何か可笑しなものを呼び出しちゃったって事ね」

言いながら莉央は3人を見回した。
創耶は霊体を降ろしたり、なんていう器としての能力は莉央のそれを軽く凌駕しているし、玲音は普段やる気が無さすぎるだけで素質は莉央よりも上だ。

これではどんな子供騙しの招霊ごっこでも何か起きないって方が不思議じゃないかと漸く気付いた事実に頭痛すらしてくる莉央に双子故か察した玲音が代わりに溜め息をついたのだった。

「で、今からどうする?」

「勿論探け…「「「却下」」」

これからの行動について深夜が問い掛けようとすると、待ち構えたかの様に創耶が何事かを言おうとしたのだが、3人に一斉に遮られ結局押し黙るしかなくなった創耶は拗ねた様にテーブルにのの字を書き始めた。

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