「…そうだな。出ようとも思った事は無かったが、着いていくのも悪くはなさそうだ」

玲音の言葉に少し考えた後黄泉はそう答えた。

「なら、決まりね。でもどうして外に出ようとは思わなかったの?」

引きこもりか、と問い掛けそうになる口をふさぎ、そう聞けば何とも言えない表情で黄泉は理由を口にした。


「俺は学校、という括りの場所にしかいけない。元々はただの土地神だったんだが、興味本意で学校の中に入り込み運悪く俺の姿が見えるやつがいたもんで逃げた先がトイレだったのが運のつきだ。そいつはトイレに逃げ込んだ俺をそのトイレの花子とやらだと言い触らした。それだけなら良かったんだがそれ以来学校から出られず先程のように呼び出されれば嫌がおうでも引きずり出されるだから学校からは“出たことが無い”んだ」

「…え、ってことはちょっと待って。それなら黄泉はこの学校には…?」

今まで黙って聞いていた深夜が何かに気付いてしまったというように疑問を口にした。

「呼び出された今が初めて入ったな。…普通の学校、ではないようだがな」

「要するに此処から出るための術は今のところ当初の通りって事か…」

莉央が小さな声で呟いた。

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