玲音と男は暫く無言で見つめあう

男はどこか不機嫌そうに顔をそらすと口を開く

「……なんの用だ?」

「…は?」

「呼んだだろ?」

「誰を?」

「俺を。」

そしてまた互いに無言が続く
だが莉央や深夜には玲音が1人で話してる様にしか見えず
莉央が見かねて会話に加わる

「ちょい待った。玲音誰と話してるの?」

「知らない男?」

「は?」

「いや、僕にもわかんない…」

最後にはどこかめんどくさそうに呟く玲音に莉央は溜め息をつく

「……悪いもの?」

「多分平気」

「そっか。」

それだけ聞くと莉央は何かを考えるようにまた口を閉じる

「…なぁ、いい加減なんの用か言えよ」

男はまだどこか不機嫌そうに顔をそらしたまま呟く

「…いや、だから誰?」

「だからお前がさっき呼んだんだろ?」

「僕が?…僕は『花子さん』を…ってまさ、か」

玲音は何かに気付いたかのように眉間にシワを寄せるとポツリと呟く

「もしかして、花子さん?」

「花子さん呼ぶな。」

男は花子さんと呼ばれるのが嫌なのかキッと目を細めて見据える

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