ゆらゆらと揺れている悠太の左手を、私はぼーっと見つめていた。
私のよりひとまわりもふたまわりも大きくて骨ばってるのに、私より白くて綺麗なのがずるい。

握ったらすべすべなんだろうなぁ、いつか手繋げたらいいのにな…。


「…うわあっ!」

「わ、ちょっ、」

どれほど悠太の手に見とれていたのか、ぼーっとし過ぎてつまずいてしまっていた。
いつものことだけど、なぜよりによって悠太といる今なのか。最悪だ。


「大丈夫?」


私の肩を悠太の手が支えてくれていた。そう、さっきまで見とれていた手が、私の肩に触れているのだ。あたたかい手の体温と骨ばった感触が伝わってきて、自分の欲の強さに恥ずかしくなり、確かに顔が熱く赤くなるのが分かった。


「あ、うん、だだだだだいじょぶ!」

「なんか"だ"が多いけど。」

「そ、そうだった?」

「そうだった、です。まあ大丈夫ならいいけど…。じゃ行こうか。」

「う、うん」


そしてまた並んで歩きだす。でも少し経つと、歩幅の違いから二人の距離が少しずつ離れる。そうすると悠太が私の前を歩き、また吸い込まれるように彼の左手に視線が向かってしまうのだ。



「…えっと、そんなに俺の手、気になりますか?」

「ひょえぇっ!?」


バレてしまっていた。と同時におよそ女子高生とは思えないような声が出てしまった。
どうやら私は悠太に気付かれるほど物欲しそうに見つめてしまっていたみたいだ。恥ずかしすぎる。
振り向いた悠太は、私の妙な反応のせいだろう、くすくすと笑っている。


「言ってくれれば繋ぐのに。ほら、どうぞ。」

「…じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて。ありがと悠太。」

「いいえ。」


差し出された手を握ると、悠太の手はやっぱり大きくて、筋張ってて、あたたかかった。



「なまえの手、小っちゃいね。」

「え、そう?……あっ、私 手汗かいてない?大丈夫?」

「うん、たぶん。ていうか手汗なら俺もかいて、ます。」

「え!汗なんて無縁の爽やかさに定評のある悠太さんが!手汗!ですか!?」

「なにそのイメージ…。……緊張の汗、だと思う。」

「え…。ゆ、悠太も緊張とかするんだね。」

「さっきから俺を何だと思ってるのなまえさん。」







‐お互い様です‐

手を繋ぎたかったのは、俺も一緒です。





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悠太役の内/山/昂/輝さんの声が大好きなんです!(唐突)

祐希役の良平さんも好きだし、言わずもがな要くん役のおのゆーさんも!



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