※かわいいうそつきに制裁を【静臨】


※かわいいうそつきに制裁を【静臨】


「シズちゃん…?」
不敵に笑む静雄を前に、焦りが込み上げる。右手には今にも握り潰されてしまいそうな機械がひとつ。
(下手な嘘はついてない筈なのに…とうとうバレちゃったのかな?マズいね…)
臨也は思う。しかし怒りを僅かだが露わにした静雄を止める術など持ち合わせてはいない。衣服を纏っていない今は彼の行動を見る事しか。
力では到底適わない相手だ。刃物のひとつ手にしていなければ何も出来はしない。まあ抵抗する気もないけどと思いながら、臨也はその不安を表には出さなかった。出してしまってはいけないからだ。
偽りの自分。隠し続けていた嘘を曝しては、元の犬と猿の関係に戻ってしまう。臨也に残されたひとつの選択肢を、臨也は選ぶしかなかった。
(演じて、形に残せば暫くはそれで誤魔化せる筈だからね…)

だが現実は甘くはない。
静雄は胸中でほくそ笑んだ。まるで手に取るように臨也の考えがわかる。こいつならばこう思う筈だ、と。
泣き叫んで恐怖に震えれば面白い。鳴いて喘ぐふりを続けるならばそれもまた一興。
強く握り締め今にも壊してしまいそうな機械を臨也に向けて、静雄は小さな笑みを浮かべた。



テクニシャン×装いビッチ企画様に提出させていただきました!
ありがとうございました!



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