短編 | ナノ

 林檎

「あれ?レグルス?今日は、暇なの?」
「うん、今日は休みだよー!街に行こうかと思って。なまえも行く?」
「行くっ!!」

それから、俺となまえとで買い物。
もうすぐ聖戦が始まるとは思えないぐらいに穏やかで楽しい時間。

「はぁ、いっぱい歩いたら喉渇いちゃった。」
「うん、俺も。飲み物買ってくるよ!」
「あたしも行く!!」
「いいよ、ゆっくりと此処で待ってなよ。」
「えー。」

一緒に居たいのに と口を尖らせて呟く君が愛おしい

「わかった!んじゃ、一緒に行こう!」

そう言ってなまえの手を繋ぎ歩きだす
嬉しそうに笑う君 俺も自然と笑顔になる

それから、他愛もない話しをしながら市場に行き
そこで、俺たちは飲み物を買って近くの丘に腰掛ける

「美味しいー!」
「よかった!こっちの味はイマイチかなぁ?」
「あら、そうなの?じゃ、これ飲んでみる??」
「そうだなぁ、なまえが口移しでくれたら貰おうかな?」
「え?」

なまえがあんまり可愛いからちょっと意地悪したくてそう答えたらなまえは真っ赤になって俯いた

「あはは!冗談だよ!安心し…?!」

冗談だと伝えようとした口を塞がられた…

そう、なまえの唇で…
そして林檎の甘い味が口の中に広がる





唇を離したなまえは真っ赤な顔しながらそう言った

「本当…林檎を食べる度に君の事思い出しちゃうよ」

なまえは ホントだね と言いながら微笑む 俺はそんななまえにキスをした。


お題元 確かに恋だった