僕は君に恋をする(スティクレ)


ねぇ、もし願いが叶うなら、君の心の痛みを俺に背負わせて欲しい。俺ならきっと、耐えられるから。

俺は未来を描く地図さえも失ってしまう馬鹿な奴だけれど、それでも、君を見付けたんだ。

じゃあな!なんて言って突っ走った俺を、嫌な顔もしないで支えてくれた君が好きだった。
親父はもう笑ってはくれないからって、何で俺泣いてんだよ…馬鹿みたいだ。
それでも俺を心配してくれる君に、言いたい言葉は一言じゃ足りなくて。
やっぱり俺は何度でも惹かれていくんだ。


君の願いを叶う為なら俺の全てを捧げ、護ると心から誓った。

俺達が老いても、決して色褪せる事が無いような恋心を、君と抱く事が出来て良かった。

幾度となく君とはぐれて、それでも巡り会えた。その分君に迷惑かけて…ホントにごめん。
脱出しようと必死なのに、俺はヘマばっかりで君に笑われたり怒られたり、馬鹿だよな。
いつの間にか君の事を思うと恋しくて、胸が苦しくなって『愛しい』じゃ足りなくなって。
それでもまだ君は、俺を魅了していくんだ。


恋する度に無意識に君を追う瞳も、愛を知る度に主張する心の痛みも、全部君が俺にくれた生きる希望なんだって、絶対に忘れないよ。


俺はもう長くないかもしれない。俺、素直じゃないから「ありがとう」って言えなかった。でも、ホントは君が好きで好きで仕方無かったんだ。
傍に来ちゃダメだ、俺から離れて。君は笑顔が素敵な人だろ?何で泣きそうなんだよ…ばか。

(ありがとう 大好きだ 愛してる ごめん)

伝えたい言葉が塞き止められずに溢れてくる。
確かに俺は、何度も君に恋をしていた。

君の目の前の俺が、もう俺じゃなくなっても、絶対に諦めない。また会いに行くよ。ずっと護れてたのは俺の方…だからごめん。今夜は俺が大好きな人を護る番だ…!!



俺、最後まで君を護れたかな…?今はもう、君の顔も霞んでて良く見えないんだ。なぁ、泣くなよ。言っただろ?君には笑顔が似合うんだ。だからって、怒るのもダメだけど…。バカ…?皮肉だけど、自分が馬鹿だってのはもう知ってるよ。
恋しくて、苦しくて…愛しい以上ってなんて言えば良いんだろう?
俺には分からない。声にはもう出ないけど、何度でも心で叫ぶんだ。


『I Love you…』


(さよなら、クレア。)



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