きまぐれん
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「眠かー」
『眠いねぇ…』



ぽかぽかな陽気
ご飯も食べて暖かい日差し
そんな後に国語なんて至極眠くなる授業受けたくない

せっかくだったらこの暖かい日差しの中ぬくぬくしてたい


そう思ったのはどうやら僕だけじゃなかったらしく
屋上に行くと先客が居た



「昨日何時に寝たと?」
『んー…9時だったかな?』
「小学生やか…」


特に夜更かしをした訳ではない
僕のサイクルはおかしいのだ
昨日みたいに9時と言う早い時間に寝たり
かと思えば5時に寝ると言うとんでもない思考
しかも次の日に何か楽しみなことや心配なことがあると眠れなくなると言うおまけつき

大事な日の前日に限って眠れないのだ



『千歳は何時に寝たの?』
「内緒ばい」



つまんないの
寝た時間くらい教えてくれても良いのに。と口を尖らせる



本当に日差しは暖かい
お腹もまんぷくで
隣には千歳が居て
幸せで
ぬくぬくしてて

あぁ、眠たい…

なんでこんなに眠たいんだろう…



『あ、違う。昨日比嘉の平古場君と電話してたんだ』


思い出した
確か昨日は平古場君から電話来て
確か1時近くまで電話してたんだ…


『なんかね、ゴーヤの美味しい調理法とか聞かれたよ』
「ふーん」


どうやらどうしてもゴーヤを食べなければ行けなくなったらしい
木手君の眼鏡が光った。と平古場君は言っていた


『でも平古場君訛り強すぎて大半何言ってるかわかんなかったんだよね…』


気を遣って標準語を話そうとしてくれてたみたいだけど
やっぱり独特の訛りは抜けてなくて
千歳の方言が分かる僕なら多少はいけるかな?なんて思ったけど
それは甘かったみたいだ



『九州と沖縄じゃだいぶ違うんだよねぇ…沖縄弁でも学ぼうかな…?』



本気で考えていたら千歳の腕が伸びてきた
何事かと固まると僕の肩を持って引き寄せる



「学ばんで良か」


鼻腔を千歳の香りがくすぐる


『なんでさ』
「沖縄弁なんて覚えて俺がとがらん会話しゃれてもおおじょうするけんね」

『とがらん…?お、おおじょう…?』



頭にはてなを浮かべていると千歳は微笑んだ


「俺の知らん会話されたら困るってことばい」
『別にしないし』
「どがんねか」


僕の首に絡まるようにして抱きついてきた千歳
猫みたいに顔を摺り寄せて眠そうに僕を抱え込む
長身にすっぽり埋まる僕もその体温に瞼が落ちてきた




『ちょっと寝ようか』
「そーやね」


そのまま倒れこんで僕達は瞼を閉じた
千歳の寝息が聞こえたから僕も本格的に眠りに入った


意識が薄れる最後の瞬間
右頬に僕の大好きな手の感触がしたのは気に留めない方が良いのだろうか…






おわり



     







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