粘着系男子の15年ネチネチ
16/30



(歌詞夢)
(苦手な方はばっくぷりーず)


(作詞・作曲・編曲:家の裏でマンボウが死んでるP)
(リスペクト:マンボウ姉様)








君への愛を綴ったポエムを
送り続けて15年
返事はまだ来ない
返事はまだ来ない…


(粘着系男子の15年ネチネチ)



1年目
がむしゃらに貴方に書き綴りました
毎日毎日欠かさず書きました
なんの変わりも無い空を眺めて貴方の事を思いながら
少しずつ変わっていく空色に気付かないまま
卒業したあの日から地球は一周していました

ああ、そうですね
きちんと貴方に届くように切手も貼りました
どこかで剥がれ落ちないように執拗に舐めました

貴方に届いて欲しいです
僕の唾液(ココロ)


2年目
まだまだがむしゃらでした
慣れていないのでしょう
貴方に伝えるべき言葉が沢山あって
ポエムとは言いがたいものかもしれません

家が燃えても気付かぬ程
服が下から燃えて行き
気付けば襟しか残ってませんでした

そう言えば昨日、立海テニス部の皆さんと同窓会をしました
都合が合わず、来れなかったユウ君
至極残念です


3年目はこなれて来ました
もはや文学の域に達しました
そうですね、今日伝えるべきことはなんでしょうか
そうですね…
昨日仁王君が家に泊まりに来て
勝手に私の詩をmixiに公開してしまいました
ものの数分でマイミクがカンストしまして
いい迷惑です…


4年目には幸村君の奨めで雑誌に投稿してみました
貴方に届けば良いと思っていたので
その雑誌を貴方も見てくれたのでしょうか?
社会問題にまで発展しました
大きく取り上げられた私はどうしていいのか分からず
とにかく仁王君に電話しました
彼は笑って
「もうリーマン辞めてポエマーになりんしゃい」

その言葉を真に受けて私はサラリーマンを辞めました


君への愛を綴ったポエムを
送り続けて15年
返事はまだ来ない
返事はまだ来ない


5年目には仁王君が言った通りにプロポエマーになりました
F1層に特にうけました
何故だか知りませんが…
そうだ、サイン会も行いました
綺麗な女性が沢山居ましたが
私にはユウ君しか映っていないので
他の女性は失礼ながらヒジキが生えた大根に見えました

そうだ、そこに切原君も居たんです
ヒジキの中に目立ったワカメが居たので…
彼に送ったサインの横にはワカメを描いておきました


6年目
私は体を壊してしまいました
骨は折れ、内臓は壊し…
それでも気付けばポエムは2千を超えていました
貴方への愛は1日も重複することなく書き綴られました
折れたことがない骨がなく
壊したことがない内臓がなかったですが
それでも毎日書き綴りました


7年目には完調しました
ユウ君は体を壊していないでしょうか?
心配でなりません

今日は貴方を何に例えましょう?
先日ニュースになったエクストリーム・アイロンがけでしょうか?
それともいつか聞いた複素内積空間でしょうか?

しかしどれも貴方に届く気はしません
なんせ横文字と漢字の羅列は苦手でしたからね


8年目の私も変わりません
ただ、毎日書き綴ってるせいかペンだこが痛いです

今日は貴方を何にたとえましょうか
幕下16枚目の全勝優勝でしょうか
AMPA型グルタミン受容体でしょうか?

ですがやはりどれも届く気がしません
難しいのは苦手でしたよね


君への愛を綴ったポエムを
送り続けて15年
返事はまだ来ない
返事はまだ来ない


9年目
私は事故に遭いました
皆さんがお見舞いに来てくれましたが
酷く頭を打ったようです
誰の名前も思い出せませんでした
私にしがみついて泣きじゃくる銀髪の彼に
私はなんと声を掛けたらいいのか分かりませんでした

ですがユウ君
貴方への想いは忘れていませんでしたよ
この心配して駆けつけてくれた皆の中に
貴方が居ないことに違和感を感じたくらいに


10年目も11年目も
記憶は戻って来ませんでした
それでも貴方が好きでした
ただ返事が欲しかった…

やはり忙しいのでしょうか?
きちんと届いていないのでしょうか?
心配になりながらも今日も私はペンを握ります


12年目も13年目も
記憶は戻って来ませんでした
まだまだ貴方のことは好きでした
それしか持っていませんでした


14年目にもまだ戻りません
自分のことも
私を心配してくれる方々のことも
分からず怖くて不安でした
ユウ君
出来るならば貴方を一目見たかった
一言貴方に言いたかった


15年目
記憶がようやく戻って来ました
心配かけた皆さんに電話でそう伝えようとして思い出しました
一番最初
貴方へ報告しようとした時
全て思い出して泣き出した




15年前貴方が死んだことを―…








君への愛を綴ったポエムを
重ねていけばいつか届くのでしょうか?
貴方のだった部屋に
毎日放り込みました
貴方がもう見えなくたって

愛し続けてやります
でも

また会えると思っていました
貴方はまた居なくなった




君への愛を綴ったポエムを
送り続けて16年
返事はまだ来ない
返事はまだ来ない―…







fin



     







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