カウントダウン3
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『そろそろ本気で止めてもらえませんかね…?』
「部活終わりに待っててくれたかと思えば…」



幸村君が溜息をついた
いやいや、その溜息は俺がつくべきものだから
なんで幸村君がうんざりしちゃってるの
被害者はこっちだよね?
俺だよね?



「だってユウが欲しいんだもん」


だもん。って


『ええ、確かにね。俺が女だったら考えたかもですよ』
「本当?」
『女だったら!ですっ!よって一生ありえない』



ぞろぞろと他の部員達がコートを出て行く
その間俺と幸村君を怪訝そうに見ながら
また、真田君は少し震えながらコートを後にした


「俺ね、恋愛には歳の差も身長差も関係ないように性別も関係ないと思うんだ」
『俺も思いますけど自分がってなると別です』



幸村君は不満げに眉を下げた
だけどまたすぐに元の微笑みに戻って



「だけどユウはこうして彼女と帰らないで俺を待ってたじゃないか」
『それはアンタにっ…!』


言いかけて息を飲んだ
幸村君の白く細い手が俺の頭の上に乗っていた



『っな、なにしてんですか…』

「んー?髪サラサラだなぁって思って」


細長いしなやかな指が髪の毛を掬い滑って行く


「あ、赤い」
『はいっ?』
「顔」


指摘されてしどろもどろになる俺に幸村君はさらに笑った



「気持ち揺れてるって、認めたら?」



魔王の如く微笑んだ幸村君
一瞬息をするのも忘れてその顔に見入ってしまった

本当、美しくて綺麗な顔…





「奪われたいって、顔してる…」



髪の毛を触っていた手が頬に来て2度、親指で撫でられた



「ふふ。君が俺のものになるのはそう遠くはないみたいだね」



自身気にそう言った彼は俺に少し待ってろと命令するとそのまま部室に消えてしまった


もちろん、俺が逃げ出さないようにさっきまでしていたヘアバンドを俺の手首と柱にくくりつけた後上機嫌で言ってしまった




(カウントダウン)
(俺が君に堕ちる3秒前)
(――2)
(―――1)





『ぜろ…』



おわり



     







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