カウントダウン2
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「ユウ君!」
『あ、メイちゃんおはよう』


廊下を歩いているとメイちゃんが話しかけた
そう、これが俺の彼女

って彼女ってまだ恥ずかしいんだけどね…


すごく気が利くし
優しいし
他の男子からも人気があるのにどうして俺なのか不思議でならない



『メイちゃん、もしかして俺に告白したの罰ゲームかなにか?』


そう疑わざる得ないほどの人の良さ


「そんな訳ないでしょっ!変なこと言ってると嫌いになっちゃうよ」

あー、駄目だ
可愛すぎる

ぷく〜っと膨らんだ頬
これはあれか、兵器か?
計算か?


『ごめ…「嫌いになれば良いんじゃない?」……幸村君…』


メイちゃんの頭を撫でようと右手を伸ばした瞬間掴まれた
顔を上げると俺の台詞にモロ被りした幸村君の笑顔



「え!幸村君、何言ってるの?」
「だってユウの不安な気持ち察しないで嫌いになるって。そこまでの想いなんでしょ?」

『あ!ちょちょ。幸村マジでいいからっ!』


黙っててくれっ!


「違うよ!本気だもん」


ぎゅむーと抱きついてきたメイちゃん
あ、可愛い……

胸がほわ〜んとする気持ちと共にとんでもない冷気を察知する

幸村君が顔をひくひくさせながら笑ってる
怖い、すごい怖い


「ほら、もう戻りなよ。」
「えー…」
「なに?文句あるの?」


女子にも容赦ない幸村君
メイちゃんは一瞬顔を強張らせた後俺に小さく手を振って教室へ戻っていってしまった




「なんか邪魔しちゃったみたいだね」
『そうだね』
「わざとだけど…」


ニコっと微笑む幸村君


「あんな退屈な奴やめて俺にしなよ」


いやいや!おかしいでしょ

暫く返事に困っていると廊下を見たことある人が通った
…確か


『さ!真田君!幸村君をよろしくっ!』


歩いている真田君の腕を掴んで幸村君を引き渡す
そして俺は全力で逃げた


遠くの方で「きぇぇぇぇぇぇぇっ!!」と言う真田君の奇声が聞こえたけれど


『ごめんっ!真田君!』



真田君を犠牲にして俺は自分の教室まで滑り込んだ―




つづく



     







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