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 菜の花畑でおデート

珍しく入った遠方からの依頼にウキウキと出掛けてみると陶器を扱う会社のだだっ広い倉庫の棚卸しだった

室内作業と聞いて安心していたがおっさんだらけの場所に流石に子供達を連れてくるわけにも行かず(何が起きるかわからないからとお妙に預けて正解だった)
とりあえず昼前につき一通り説明を受けマンツーマンで作業に取り掛かる

品物の品名と型番、在庫数を確認しながら、手元のチェック表に数の合わないものには修正と判を、合っているものにもレ点と判を次々押していく

夕方になり支給された弁当を平らげ夜迄には指定された棚の半分程終わらせた

宿に泊まって一夜明けてからの今日、作業は朝から始まり機械的にサクサク進み、昼前には全て終了した

行きは会社の車で最寄り駅から迎えが来たが帰りはゆっくりしようと申し出を断り粗方の道を教わると昼過ぎには工場を出た


のどかな田園風景が広がる町並みを歩きつつふと前方へ目をやるとそこだけ区切られたかのように真っ黄色だった

「うわっ、凄ぇ…」

思わず早足で近寄ると目の前に広がる一面の菜の花畑だった

「綺麗なもんだなー」

その場でじっと眺めていると不意にクラクションが鳴り響く

「うわ!?びっくりしたー何?」

振り向くと見慣れた車の中から降りてくる見慣れた男

「え?何で?…」

「お前こそ、こんな所で何やってんだ?」

土方は隊服姿で車の屋根にもたれて煙草をふかしていた

「俺はこの先の工場で依頼の帰り、お前こそこんな所まで来てお仕事?」

「あぁ、俺はお上の護衛の帰りだ」

「ふぅーん、ご苦労様」

「お前も珍しく仕事だったんだな」

「珍しいは余計ですぅ」

べーっと舌を出した銀時は裏腹に楽しそうな表情をしていた


「なぁ、ちょっとその畑の真ん中に立ってみてくれねぇか?」

「ん?いーけど…」

綺麗に咲き誇る菜の花を掻き分けずんずん進む銀時

「この辺でいい?」

振り向いた瞬間聞こえたのはシャッター音

見遣ると土方が携帯をこちらに向けていた

「ちょ!?土方!!!」

慌てて来た道を戻るも速攻で胸ポケットに仕舞われた

「ちょっと土方くん?いきなりはないんじゃないかなぁ?いくら銀さんがかっこよくても一応一言あってもさぁ…」

「すまん、お前の素の表情が撮りたかったのと…」

言いかけて顔を伏せる土方の視界に入るよう後ろで手を組み覗き込む

「撮りたかったのと?」

「…菜の花畑の中にいるお前が、凄ぇ綺麗で…つい」

「…っ///」

その形のまま固まった銀時は顔が見られないよう俯いてその肩口をポカポカ叩く

「な、何言ってんのバカ///」

「な、この後予定あるか?」

「…ない…けど?」

「なら乗ってけよ、撮らせてくれたお礼に驕るからよ」

「…いーけど、その代わりめいっぱい飲むからね!」

まくし立てて助手席に向かう銀時に心の中で謝りながら土方はそっと胸元に手をやる

カメラに収めた表情は土方だけの宝物になった







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神書き手佑依様から。
「大好きなフォロワーへ捧ぐ」

おねだりしたら「菜の花畑」のお題で頂きました。
えへえへ佑依ちゃんありがとうー!!佑依ちゃんの銀ちゃんは可愛いのです。土方さんがイケメン、凄い大人。超カッコいい。私の理想図///
これからもたまにおねだりして頂こう(こら)
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