額に触れる布の感触と人の気配にサイは気づいた

が、疲れきった身体はいうことを聞かない

仕方なく耳を澄まし状況を把握しようとする

気配は何となくだが1つしか感じられないので、ここにいるのは私と誰か

かすかに聞こえる声から男ということは分かったが、他は分からなかった

しばらくすると身体の隅々まで力が行き渡り、動けるようになった
腹筋に力をいれ起き上がると同時に目の前の扉が開いた


(うわ、タイミングわる…)


私は気配が薄いから大丈夫だと思ったのに、部屋を探索する前にこの部屋の人間が来てしまった


「お、ようやく起きたか」


「…だれ?」


子供らしくコテンと首を傾げるサイに目の前な男が言う


「オレはライト

キミが流星街の端で倒れてたから、拾ってきたんだよー」


身体、だいじょーぶ?と尋ねるライトという男

とりあえずお世話になったようなので礼を言う


「はい、おせわになりました」


「気にしなくていーよ」


へらっと笑顔を浮かべるライトは、まぁイケメンの部類に入る


流星街で生きてきたサイにとって、久しぶりに見たイケメンだった

知らぬ間に笑顔が浮かぶ


「で、キミの名前は……?」


「サイです…たぶんとしは7さいくらい」


「ふーん、もっと小さいかと思った」


私はこの台詞にカチンときた


「わたし、どうがんなんで!」


ついムキになりそう返すと、ライトはぽかんとしたあと笑い出した


「あはは、面白いねーサイチャンは!
で、サイチャンは流星街出身なのー?」


「まぁ、」


捨てられたのは事実だから、素直に頷く


「そっかー大変だったんだ

で、逃げてきたと」


「さすがにキツかったから」


「んじゃ行くとこないんだ
……そっかそっか」


そう言うと黙りこんでしまった、まぁイケメンなライト


「決めた!今日からサイチャンはオレの妹ね

一緒に住もうよ!」


「は……?」

ぽかんと口を開けたまのサイにライトが笑う


「サイチャン、かわいー

だって流星街出身なら行く場所ないし、7歳は働けないから生きていけないでしょー」


笑うライトをベッドの上からぽかんと見つめることしかできなかった


「……いいの?」


「ん、いーよ別に

オレも一人暮らしは寂しかったからさー」


ちょーどいいじゃん!と笑うライトに、胸が温かくなる


「ありがとう、」


ペコリと頭を、さげた


「こっちこそヨロシクねー、それにそんな可愛い妹がいたら、毎日楽しいし!

オレ、妹欲しかったんだー」


立ちっぱなしがキツかったのか、ベッドのはしに腰掛ける

ふわり、と良い香りがする


「あ…」


「ん、どーかした?」


「いいえ、べつに……」


「よし、んじゃ今日からヨロシクねサイチャン!」


「はい!」






prev next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -