時が流れ、サイは以前から考えていた作戦を実行する事にした
「流星街を、出る」
廃虚で少女は呟く
昨日はご飯も食べたし、体力も万全の状態
やるなら今日だ
サイは自分の体1つで、走り出した
どれくらい、走っただろう
いつの間にか朝が昼に、昼が夜になっていた
休憩も挟まずに走り続けているが、疲労感は無い
が、夜は危険と考え適当な廃虚で休む事にした
1日中走り続けていたせいか、すぐに眠りについた
そんな生活が何日も続いた
(…ヤバい、倒れそう)
幼いサイの身体は限界だった
フラフラとゴミ山を歩く事しか出来なくなっていた
出発した日から一週間が経過していた
視界が歪み、足元も覚束ない
「死にたく、ないのに……」
少女はそう呟くと、ふらぁと倒れた
(あぁ、神様はなんてヒドイの
私、神様に嫌われてるんだ)
そんな事を考えながら、サイの意識は闇にとんだ
しかしサイは気づいていなかった
目の前に町があった事を
ここは流星街のすぐ端であった事を
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