念を手に入れた日から、サイの修行が始まった

まずはこちらに来てからの日課である食料探し

流星街の中を走り回るため体力と持久力が鍛えられる

食べられるものが見つかった時は良いが、見つからなかった時は空腹のまま1日を過ごす事になる

今日は運良く見つかったらしく笑顔で廃虚に戻ると、食事をし修行を開始する


まずは『纏』

オーラを周りに留める事は容易に出来るようになったらしく、涼しげな顔だ

纏の次は『絶』

流星街で生き抜く為に、これほど大事なものは無いのだ

相手に気付かれないよう気配すらも消し去れば、無駄な闘いも避ける事が出来る


サイは一心不乱に念の修行をしていた

朧気な記憶にあるマンガが役に立っているのだ


午前中は全てを念の修行にあて、午後からは使える物を探しに流星街をさ迷う


こんな生活が何ヶ月も続く


「はぁ、何にも無かった」


とぼとぼと歩みを進めるサイからすると、何も見つける事が出来なかったのだろう


「……田舎でいいから街に住みたいなぁ」


切実にそう呟くとサイは自分に渇をいれ、走り出した

これも修行の一環として始めたのだ


もしもの時を考え、体力や持久力はあった方が良いと思ったからだ

おかげでサイの体力は子供らしからぬものだ

もともとあちらでも運動神経が良かったサイは、こちらではもっと恵まれているらしい

あちらでどんなに鍛えても無理だろう事も、こちらでは簡単に出来てしまうのだ


「これだけは感謝、かな」


そう呟くと同時に我が家である廃虚に到着した

かなりの距離があったにも関わらず、息も切れず短時間で到着する事が出来た


自分でもそう感じたのかサイの顔に笑顔が浮かぶ


「体力はついた、かな」


夕食は無しで、念の修行、瞑想を終えたサイは廃虚で眠りにつくのだった






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