男は昨日と同様、神々しいほどに美しかったのだ

ッ見惚れるなんて……!私の人生をぶち壊した奴なのに

「まずは自己紹介からだ
我はリンク」

娘、名は何と言う

男の問いかけに夏希は俯く

(……人間を捨てた私
そして私に人間を捨てさせた男
ホント皮肉な運命だわ
でも……)

「……私は夏希」

「ふむ夏希か

――では夏希、我と美しい世界を見に行こうではないか」

「は?」

吸血鬼の間抜け顔は何とも言えない
夏希にとって吸血鬼になって初めての表情だった

「そのアホ面をどうにかしろ
それでも新生者か……?」

「新生者……?」

おうむ返しする夏希の心を読んだかのようにリンクは説明をする

「夏希、お前は昨日吸血鬼になっただろう
なりたての吸血鬼には自我などなく、殺戮に明け暮れるのだ」


殺戮に、明け暮れる?私が?

「なのにお前は自我がある
普通では有り得ない事だ」

男の、リンクの言葉が頭を占める

普通では有り得ない……
―――でも
「…良かった………!」

「お前はまだ人間らしいな
まぁそこがお前の魅力か…

くくく、では行こうか」

リンクは褒めるような言葉を紡ぎ、夏希を促すこれはピンチでありチャンス
吸血鬼での生き方を、夏希から学ぶ

そしたら……

「よろしくリンク」

偽りの笑顔を浮かべた




prev next


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -