私は貴方に依存する | ナノ
ロ現実を 知る




「え…?」


「お、気づいたか」


え、え?だれ、この人

ムキムキの黒髪の男が、私を見ている
まじまじと見られているので、とても居心地が悪い


「で、お前は何者だ?」


「…………」


答えたくとも、答えることが出来ない

なぜなら


「……私だって知らない」


どうして私はこんなところにいて、ベッドに寝かされてる?

私はたしか、普通に起きて学校に行って…それから

ああ、


「階段から落ちたんだ…」


「落ちた?なんで階段から落ちたら浜辺に倒れるなんてことになるだ」


「私、浜辺に倒れてたんですか?」


「ああ、倒れてたからここに運んだ」


細目をさらに細め、男は笑った


「お前の名前は?オレはレイザーという」


「………レイザー?」


黒髪なのにカタカナ?日本語話してるのに、まさかの外人?

てことは、


「……夢か!なんだ良かったー
心配して損した」


私は本当に夢だと思った

知らぬ間に浜辺に倒れてるなんて、あり得ないから


私は現実から、目を背けたのだ


「悪いが、夢じゃない
ここはグリードアイランドだ」


「グリードアイランド?」


へぇまたカタカナですか…

てかグリードアイランドって、漫画じゃん!HUNTERxHUNTERにハマって漫画揃えたしー

ということは、


「もう夢しかナイ!

私もそっちの道に染まりきったんだな、きっと

夢にまで見るんだから」


自己完結した私は、部屋を見渡すが、寂しい部屋だ

ベッドくらいしか、ないのではないだろうか


パチン!


「っ!!」


急に頬に痛みが走り、ベッドの上で身を固めた

てか痛いんだけど!あり得ないくらいジンジンするし…


「って痛い………?」


「ああ痛いだろう?ここは現実だからな」


この時私は、世界を渡ったことを認めるしかなかった

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