「エース!見ろよ、狼だ狼!
しかもでっけーーーっ!!」


「うお、でっけーな!
セロンが出したのか?」


「姉ちゃんすっげぇぇー!」


キラキラ瞳を輝かせるルフィだが、海兵に追われているのだ

そんな時、一緒に逃げていたジンベエが話しかけてきた


「ルフィ君が、魔女と姉弟じゃったとは……驚いたわい」


「魔女かは知らねーけど、セロンが姉ちゃんだ!

めちゃくちゃ強いんだぜ!なぁエース!」


「そうだな…」


ルフィの問いにエースは頷く


(……いっつもセロンに守られてばっかだな、オレは)


男としてどーなんだ、とエースは悩んでいた


「にしても姉ちゃん、キレーになってたな!」


腰下まで流れる漆黒の黒髪に、きめ細かい白い肌

露出している腕や足はか細いが、海兵を簡単に蹴散らしている

その姿を、エースは見つめていた

「……にしてもルフィ、お前も強くなったじゃねぇか!」


「にししし!エースを助けたかったからな」


仲良くそう会話している2人を、みんな微笑ましそうに見ている


「にしてもエース、大丈夫か?
体、辛くねぇか?」


「なぁに、心配いらねぇさ」


「なら良いけどよ……
エースが死んだら、姉ちゃんが泣くから、ぜってー死ぬなよ!

エースでも許さねぇからな!」


叫ぶルフィに、エースは苦笑いを返す


「……シスコンは、いまだ健在ってか…」


「とにかく!エースは死んだらダメなんだからなッ」


そう力説され、エースは笑みを浮かべた


「死ぬつもりはねぇよ、だから落ち着け」


「だって……!オレだって、エースが死んだら泣くからな!」


「オレのために、泣いてくれんのかルフィ?」


「当たり前だろーがッ!」


殴るぞ!と叫ぶルフィを見たエースは、一瞬泣きそうに顔を歪めた
そして、嬉しそうに笑みを浮かべる


(……こりゃ、死ねねぇな)


セロンもルフィも大切で大切でしょうがない

それに、自分を助けに来てくれた家族に感謝の気持ちでいっぱいだ

(…生まれてきて、よかった

オレにはセロンにルフィ、オヤジに家族がいる)


エースは、泣き笑いのような表情を浮かべるのだった






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