「エース、こっちはロウ
エースに憧れてるらしくて…」


セロンの周りに座る船員の一人を紹介された

15歳くらいの、明るそうな少年だ


「オレ、ロウって言います!
……エースさんに憧れてて、会えて光栄です!」


「おう、よろしくな、ロウ!
にしても、見事にガキしかいねぇんだな」


エースは周りを見ながら、そう呟いた

その問いに、ロウが答えた


「ほとんどが子供ですかね。
……オレらは皆、姉さんに助けられたんです

他の船にいるヤツも、みんな」


「助けられた?
てか、他にも船があんのか?」


ロウの言葉にエースは首を傾げた

「あります、オレらの船が本船で、他に二隻

ほとんどが子供で、大人はちょっとかな」


話す2人の横で、セロンは赤ん坊にミルクをやっていた

準備してくれたのは、サッチ

一応、会話はしているが2人共、エースとロウの会話を聞いていた


「みんな、姉さんに助けられたんです

そして家族になったんですけど、他のヤツらは今は用事で離れてるんです」


「へぇ、意外に多いんだな」


「……そうですね…」


暗い顔をするロウに、エースは首を傾げた


「元気ねぇな、ロウ」


「緊張してるんですよ、エースさんと話せてるから!」


そう言い笑うロウは、笑顔のまま酒を煽る


「っておい!いいのかよ、酒なんか飲んで

おい、セロン!」


焦ったエースは側にいるセロンに助けを求めた


「いいのよ、ロウは
約束は守ってるから」


「……なら良いけどよ

あ、セロン!オレもミルクやりてぇのに!サッチばっかりずりぃぞッ」


ふと気付いたのか、サッチを指差し騒ぐ


「じゃあ、お願いするわ
サッチが抱いてるのがリンで、私が抱いてるのがラン」


分かった?と聞きながら、ランをエースに渡す


「ホントちっちぇーよな……
な、サッチ!赤ん坊っていいな、可愛くて!」


「ふふふ、よくねルフィを思い出すのよ
ルフィも小さくて可愛かった」


「ルフィか…懐かしいな!」


微笑みあう2人を見たサッチ

今まで空気を読み静かにしていたが、ついに吹き出し叫んだ



「お前ら、新婚かよッ!
お暑いねぇ、見てるこっちが恥ずかしいぜ

なぁ、リン?」



「な、なに言ってんだよバカサッチ!あー、てかサッチだってにやけてんじゃねぇかよ!」


「なんだとっ!エースのくせに生意気な!」


赤ん坊を抱いたまま、2人は言い争うが、ついに限界がきた



「「「ふぇ…っうえー!っく、ひっく、うぇーーーん!」」」


リンとランの盛大な泣き声に、2人は慌ててあやしにかかる

その様子を、白ひげは楽しそうに見つめ酒を煽るのだった






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