セロンがいなくなったモビーでは、白ひげの周りに隊長たちが集まっていた


「グララララ、魔女がエースの昔馴染みだとはなァ!」


「うっ!オレだってセロンが魔女だって、知らなかったんだよ」


白ひげの言葉にエースはそう言い返す


「でもセロンはいいヤツなんだぜ!だからマルコもビスタも警戒すんなって!」


「わかってるよい、エース
オヤジが認めたんだから安心だよい」


「そうだぞ、エース
それにしても、魔女の船員も気になるな…
手配書には写真がないからな」


ビスタの言葉にエースは頷いた


「確かに気になるな!」


そんな感じで話をしていた時だった

またもや船がざわついた


「!セロンッ」


エースが驚愕の声をあげる
オヤジもマルコも固まっていた


「宴にお誘いされましたので、船員を紹介しようと……

みんな私の、家族です」


セロンの後ろには、セロンより年下の子供しかいない
せいぜい同い年くらいまでだ

極めつけは、セロンの腕のなかで眠るガキ2人

両腕で抱えられているのは愛らしい赤ん坊

さすがの白ひげも、言葉が出なかったらしい

一番に口を開いたのは、エースだった


「ウ、ウソだろ!?セロン、海賊だよな……?

え、赤ん坊?実の子、とか言わねぇよな……?」


支離滅裂に叫ぶエースに、セロンは苦笑いをこぼしながら説明をした


「血は繋がってないけど、私の大切な家族なの

エースにだって、分かるでしょう?」


微笑みながらそう言うセロンに、エースは頷いた


「……ま、セロンがそう言うならそうなんだな!

よし、オレにも抱かせろよ」


固まる白ひげ海賊団を尻目に、エースはセロンから赤ん坊を受け取った


「うっわ、ちっちぇー!な、セロンが育ててんのか?

後ろのガキ共も?」


「まぁ、私がお母さんかしら?
みんな呼び方は違うのよ」


ふーん、とエースは呟き赤ん坊に目をやる


「…………」


「可愛いでしょ?」


セロンの言葉にエースは素直に頷き、笑顔を浮かべた


「……可愛いなっ!赤ん坊は初めて見たが、癒されるわ」


このエースの言葉に、ようやく白ひげが復活した


「全員、テメェのガキか?」


「ええ、みんな私の大切な家族なのダメ、かしら?」


一瞬の沈黙の後、大きな笑い声が響き渡った


「グララララララ、今日ほど面白ぇ日は、ねぇ!

息子共、魔女と魔女の家族だ!可愛がってやれ」


白ひげの言葉に、白ひげ海賊団は困惑しながらも受け入れるのだった






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