穏やかな海原をモビー・ディック号は進んでいた

誰もが思い思いのまま過ごしていた時、見張りの声が響き渡った


「2時の方向に海賊船!
距離は約3キロ、傘下の海賊ではない模様!」


船員は慌ただしく戦闘の準備を始めるため、それぞれの隊長のもとへ向かった


「敵襲だったら、楽しくなるんだけどな!
モビーにいちゃ、余程のバカしか仕掛けてこねェし」


「まだ敵襲と決まった訳じゃないだろい

ま、暫くは様子見だと伝えとけよい」


2番隊隊長であるエースはわくわくし、1番隊隊長であるマルコは冷静に指示を出していた


「にしてもどこの海賊だ?マルコ、見えるか?」


甲板の船首に移動した2人は、迫り来る海賊船を見つめる


「……あれは…」


マルコは小さく舌打ちをすると、直ぐ様親父のもとへ向かった


「親父!」


「どうしたァ、マルコ」


いつもの定位置に座り、堂々としている白ひげにマルコは告げた


「あれは魔女の船だよい!
海賊旗を見た限り、ホンモノだよい」


近くにいた船員たちは、驚きに目を見張った
そこへ、マルコに置いていかれたエースが現れた


「マルコ、なんでそんな慌ててんだよ?」


「……お前はバカだよい…」


エースの言葉にマルコは溜め息をつき親父を見上げた


「グララララ、魔女が来るとはおもしれェ!」


笑う船長に、周りにいた船員は苦笑いを溢す


「親父、相手は魔女だろい…なんでそんな落ち着いてんだ?」


「魔女はバカじゃねェ、この白ひげに攻撃をした結果は分かってるはずだァ」


「狙いは攻撃じゃないんだ?やっぱり親父はスゲェな!」


親父の言葉に、エースは笑みを浮かべる


「よしマルコ!んじゃ何が起こるか見物といこうぜ!」


マルコはエースに引っ張られ、その場をあとにするのだった


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