バチン!という不思議な音が耳に響き、ユウナは辺りを見渡す


誰かいるかもしれない、という安心感が広がるが、危険な人間や動物だったらどうしようとも考えている


そんなユウナの前に、顔の整った男性と優しそうな老人が現れた


何かを話しかけられたが、ユウナには答えることが出来なかった

それは男性が話す言葉が、日本語ではなく英語だったから


(……まさかの英語とか、ムリなんですけど)


ただただ男性を見つめ首を傾げることしか出来ない

しかし、ユウナの耳にようやく分かる言葉が飛び込んできた


「What your name?」


「……ユウナ 狭川」


ユウナが名前を答えると、男性たちの間に動揺が走った

2人で話しているのは分かるが、全く意味が分からない


観察していると、顔の整った男性が喜んだように老人に抱きついていた


(……泣くくらい、嬉しいことがあったの?)


本当に嬉しそうな男性を老人は何も言わずに宥めていた

ようやく男性が落ち着いたころ、老人が口を開いた



「ユウナと、言ったね?」


「……はい」


日本語を喋られ、驚きながらも頷く


「君の本当の名前は、ユウナ ハルフォード
私たちの、家族なんだよ」


優しそうな老人の言葉に、ユウナは愕然としたまま立ち尽くすのだった



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