ざわざわとした人混みを抜け、ミライはリングに目を向けた
そこには
「ノックダウン!ヒソカ選手、鬼神のごとき強さです!!」
ピエロメイクばっちりヒソカと、地に倒れ伏す名も知らぬ男
「ヒソカ選手、連勝です!フロアマスターに挑戦するのは、やはりヒソカ選手なのか!?」
ヒソカは気持ち悪い笑みを浮かべたまま、リングを後にしていた
私もヒソカを追い、足を踏み出した
「……ヒソカ」
「やぁ、早かったね」
ハートマークがつきそうな勢いで言われ、ミライの頬がひきつった
「……意外にヒソカが優しいってコトを学んだよ」
「くくく、そうかい?
ミライがボクを誉めるなんて珍しいじゃないか」
明日は雪かな?
楽しそうに笑うヒソカを見て、ミライは思った
(……やばい、ヒソカは快楽殺人鬼なのに、一緒にいて安心するなんて……
―――でも、ヒソカの優しさも厳しさも知ったから)
「私、ここで200階目指して頑張る
強くなって、ヒソカを楽しませてあげるから……!」
私の言葉にヒソカはキョトンとすると、優しく頭を撫でた
「くくく、なら楽しみにしてるよ」
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