決めたコト(花←田)




「………うー………」


オレは今、悩んでいる
オレがお悩み中だなんて聞いたら、誰もが笑うか驚くと思う

それくらい、珍しいのだ


「うあーーー!わっかんねー」


「うっさいわよ、バカ!」


べしん、と頭を叩かれた
近くで雑誌を読んでいた姉が、遠慮なく頭を叩いたのだ


「姉ちゃん、痛ぇよ!」


「あんたが悪いのよ!只でさえ声がデカイんだから…」


はぁ…と溜め息をつかれたオレは、言い返した


「姉ちゃんのがデカイし!」


言い返した途端、頭をごつん!という衝撃が襲った


「いてぇーーっ!」


「お姉さまに逆らうのが悪いのよ、悠一郎」


不敵に微笑まれた悠一郎は、項垂れた


「……で、どうしたわけ?珍しく悩んでるみたいだけど」


「…………」


「秘密ってわけか……
悠一郎にしちゃ、ホントに珍しいわね」


雑誌から目を離さずに、姉はそう告げる


「……ま、行動しなきゃ何も始まらないんだからね

後悔しないようにしなさいよ」

姉はそう言うと、頭を一撫でし去って行った


(……確かに行動しなきゃ始まらないよな)


姉の言葉を聞き、オレのどこかに火がついた
今まで悩んでいたのがバカらしくなった


「後悔しないようにする!」


オレは決めた!と叫ぶと、何だか元気が出た


―――明日、花井に言おう
結果がどうでも、後悔だけはしたくねェから

そう、決めたんだ




「花井、オレッ!」


「――――――。」











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bkm


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