レイは朝早くに起き、見つけた川で汚れを落とし服も綺麗にしていた
朝食は木の実や果物を採り、おいしく頂いた
途中途中、リスや小動物も食べ物を持ってきてくれた
≪レイ、レイ!これも美味しいよ≫
≪レイ、これも食べて!≫
座るレイの周りには、いつの間にか動物が集まっていた
自然とレイの顔にも笑みが浮かぶ
「ありがとう、みんな」
そう告げるレイに、周りにいた動物たちも嬉しそうだ
「そうだ、みんなはハンターって知ってる?」
≪ハンター?≫
≪知ってるよ!不思議な力を使う人間でしょ≫
≪僕も知ってるよ!でも、どうしてそんなこと聞くの?≫
一匹の小動物が、レイに問いかける
「私もハンターになりたくて…というか、力が欲しいだけなんだけどね
だからみんなに聞いてみたの」
木苺を口に放り込みながらレイは説明する
≪レイは、あの不思議な力が欲しいの?≫
≪うーん、どうすればいいんだろう≫
≪やっぱり、その不思議な力を持つ人間に弟子入りかな?≫
≪それとも、なにかが必要なのかな?≫
小動物たちが輪になり話し合いを始めている
その様子をレイと大きな動物たちが面白そうに見ている
レイがいる場所では、争いは起きないのだ
≪そういえば、鳥たちが言ってたよね?
ほら、そんな人間がいっぱいいるところがあるって…≫
≪ああ、聞いた聞いた!
どこだっけ、それ?≫
数分悩んでいたようだったが、ある一匹が叫んだ
≪ハンター協会!思い出した、ハンター協会だよ≫
≪あっ、そうだそうだ!≫
≪レイ、きっとハンター協会に行けばどうにかなるよ!≫
小動物たちが、そうだそうだと頷いている
「ハンター協会か…」
レイは考える
ハンター協会には、きっと漫画の通りにネテロ会長がいるだろう
あの老人を騙すのは厳しいと思い、どうしても悩んでしまう
(……念さえ起こしてくれれば、後は自己流で出来るのに)
そうは思うが、この島に念を起こしてくれる人物はいない
「はぁ……」
溜め息をつくレイを動物たちは心配そうに見つめる
≪レイ、どうしたの?≫
≪だいじょうぶ?≫
「……うん、ちょっと考え事してただけだから」
≪ならいいけど……≫
まだ心配そうにレイを見ていた動物たちだが、すぐに行動を開始したものがいた
≪レイ!僕たちがハンター?を探して来てあげる≫
≪鳥の僕たちは空を飛べるから、探して来てあげるよ!≫
木の枝に止まっていた鳥たちが、そう告げる
「いいのよ、貴方たちがそんなことしなくて…」
≪ううん、僕たちがやりたいんだ!だからレイは待ってて!≫
≪何日かかるか分からないけど、絶対連れてくるから!≫
周りから賛同の声があがり、様々な鳥たちが飛び立つ準備を始めた
「……ありがとう、みんな」
動物たちの優しさに触れ、レイは喜びに震えた
≪じゃあレイは待ってて!≫
≪ハンターを絶対連れてくるからね!≫
意気込む鳥たちはそう告げると、勢いよく飛び立った
「よし、じゃあ私もそろそろ行くね!
みんな、ありがとう」
近くにいた動物の頭を撫で、レイは立ち上がる
≪また来てね、レイ!
木の実や果物もいっぱい準備しとくから≫
≪ばいばい、レイ!≫
レイは動物たちに手を振り、その場を後にするのだった
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