『我は九尾の妖狐、聞いたことくらいはあるであろう?』


凜は頷く
それを見た王牙は続ける


『我は火の国、木の葉のそばに住んでいた

木の葉の者は、我を崇め奉っていた』


ここまでは凜でも予想ができる


『しかし、我は木の葉を襲った
気付いたら足下には人間共の骸が重なり、忍が動いていた』


凜は息を飲み、考える
というか『忍』という単語に反応してしまう


『忍が、いるの?』


『ああ。知らずして木の葉を襲ったのだが、殺したのは我

木の葉の火影に封印され、木の葉は平穏を取り戻したのだ』


初めて聞く王牙の話を凜は熱心に聞いた

そして疑問が芽生えた


『知らずに木の葉を襲うなんて、可笑しいわ』


『……恐らくだが、我は操られていたのだ

ま、昔の話だ……』


一息つく王牙に、凜は告げた

『そして王牙は私に封印された
火影という人物によって…』


王牙が頷いたのを感じ取った凜は溜め息をついた『……はぁ、めんどくさい

ということは、私の中に九尾である王牙が封印されている』


あぁ、めんどくさい、と凜はまた呟いた


『ふん、悪かったな』


『あら、王牙は気にしなくて良いのよ
王牙に会えたことは、私にとって良いことなんだから』


…ただ……

凜が呟いた


「ただ、何なのだ」


「ただ、それじゃあ私の生い立ちは厳しくなるなと思って……

絶対に、私は嫌われ者よ」


言い切った凜に王牙は笑う


『くくくく…そんなことを気にするのか、お前は?』


『ふふふ……ま、敵にはそれ相応の対応をすればいいだけよね』


ニヤリと悪どい笑みを浮かべる凜に王牙も笑みを浮かべる


『凜ならば、大丈夫だろう
さて、我はしばし休むぞ』


『わかったわ、ありがとう王牙』


話してくれた礼を言い、凜も精神統一を始めるのだった



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