いつも通りの暗黒世界
『ねぇ狐さん、私思ったの
狐さんが名前を教えてくれないなら、私が名前をつければいいんじゃないかしら?って』
『……断るぞ』
『あら、狐さんに拒否権はないから』
にこやかに笑いそう告げると、深い溜め息が返ってきた
『溜め息なんてヒドイわよ、狐さん』
『お主はそれしきの事で傷付かないだろうが』
呆れたように狐さんは話す
『ま、いいわ
で、考えた名前なんだけど≪王牙≫はどうかしら?』
かっこいいでしょう?と笑うが狐さんは無反応
『気に入らないかしら?
私は結構いい名前だと思うのだけれど』
しおらしくそう告げる凜は、悲しみの表情を浮かべる
『はぁ……好きに呼ぶがいい』
深い溜め息をつき狐さんがそう答える
この顔が作戦ということに気付いているが、めんどくさかったのだろう
『なら、これからよろしくね王牙』
久しぶりに凜は笑みを浮かべるのだった
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