チュンチュンと小鳥の鳴き声が聞こえ、私は目を開けた
天井までの距離が遠く、幼子のままだと実感した

しばらくはベッドに入っていたが、気配を感じた
扉の方にまっすぐ歩いてくる人物がいる
火影の気配でもないらしい

昨日会った時点で火影の気配とチャクラ質は記憶済みだ
ついでに天井裏に潜んでいる人物とも違う
監視されていることに、別段驚きはしない

というか監視がなかったらそちらの方が驚きだ
こんな憎悪の対象である幼子を放置は、人道的に有り得ないだろう

(ま、どうなのかは分からないけど…)


自分の存在がどう思われているかは簡単に想像できる
それは良い感情などではない

そんな私を守ってくれようとする大人はいるのか?
いや、いないだろう
いたとしても同情しているからなのか、哀れに思ってくれるからなのか…

私は同情されるくらいなら、一人で生きていく
幸いなことに精神年齢はすでに大人と遜色ない
生きていくことに苦労はしないだろう

ただ問題なのは、この世界には忍がいるということ
忍術に関しては、王牙に少し教わったくらいだそんな私は忍に狙われたら、終わりだ

そんなことを考えているうちに、気配の人物が扉の前に着いたらしい
コンコン、とノックの音が聞こえた

すぐに扉が開き、一人の男が顔を出した


「やぁ、はじめまして
僕は君の新しい世話係の雹って言うんだ

よろしくね、ナルトちゃん」


人好きのする笑みを浮かべる男は、自ら雹と名乗った


「火影様からの命令だから、よろしくね」


それに私は警戒した
本当にこの男はこの笑みのような人間なのか
それとも、この笑みの下には憎悪と悪意が渦巻いているのかと


警戒したまま、私はこの男と関わることになるのだった






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