火影により連れて行かれた場所は、こじんまりとした部屋だった
一応キッチンもあるし、お風呂もある
それに安心しながら、部屋を見渡す


「世話係は、明日にでも新しい者を来させるからの
今日は一人じゃ」


それを拒絶しないでいたら、火影の笑みが返ってきた


「ナルトは本当にいい子じゃの」


一人そう呟く火影は、瞳を揺らす


「ミナトも、見たかったじゃろうに…」


その言葉に私は首を傾げた


(ミナトって、誰かしら?
王牙の話の中には出てこなかったけど、流れからすると私の両親ってところかしら?)


「ではナルト、おやすみ」

奥の扉を開けるとそこには普通のベッドがあった
そこで寝ろということなのだろう

火影は頭を一撫ですると、去って行った

それを見届け、私は安堵の息をついた


ようやくこれで落ち着いた
一人になったことで、心が落ち着く

まだまだ覚束ない足取りで私は部屋を歩き回る
ベッドのある部屋の奥にはまたもや小さな部屋があった

そこには巻物やらが山のように置いてあった

興味がわき手に取ってみると、内容はやはり忍術のこと

王牙から何となくは聞いていたがやはり実際に見てみると、気になる


紅葉のようなぷくぷくとした手を駆使し、私は巻物を解き没頭するのだった

だって、王牙に会うには忍として優秀にならねばならないから
自らの腹にある封印の術式を理解できるほどにはなりたい

ま、そのまえに変化の術だ
王牙がまずはこの術を覚えろと言っていたから

私も1歳児のままでは疲れる
せめて術で大人の姿になり、現実を見なければ
いつ命の危険が迫るかわからないのだから

私だってまだ死にたくない
こんなことになった原因は分からないが、新たな人生だ
愉しまなければ損というものだ

幸いチャクラの扱い方は王牙に教えてもらった
これからは術の使い方を学ぶのみ

自分の命を守れるようになることが、目標だ
そして、王牙に会いに行く


暫くの目標をたて、私は巻物に目を通すのだった







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