立海大附属中学のテニスコートに走り寄る1人の男子

彼はよく分からない頭のモヤモヤに苛々しながらも、部活に行こうと一生懸命走った


その姿をコート内から見る人影が数名


「おっ、赤也が来たようだぜぃ!」


「プリっ」


赤髪の少年の言葉によくわからない言葉をかえす銀髪の少年

傍目から見ても整った顔をしているのが見てとれる


それに頷く中学生には見えない立派な体格の男


「うむ、補習なんぞやっている暇があるならテニスの練習をしなければならんのに

たるんどる!」


厳ついというか老けているというか、そんな顔の少年が言う言葉に周りの少年は苦笑いした


「真田、赤也はバカなんだから仕方無いだろ」


地味に酷い言葉を吐く肌の黒い少年の言葉にみんなが笑った


「すいません!遅れたッス」


そこにちょうど赤也が現れた

赤也にしてみれば、コートにいる全員が笑っていれば不思議に思うだろう


「なんで笑ってるんスか?」


クエスチョンマークを頭上に浮かべ聞くが誰も答えてくれない


「にしても遅かったなぁ
そんなに補習長かったのかよ」

「そうなんスよ!
でも1人じゃなかったんで今日は早い方ッスよ?」


ブン太の言葉に盛大に頷きながら答えた赤也はすぐに言った


「ブン太先輩!着替えてきたらラリーしましょうよ〜」


「え〜めんどくせぇ」


「そんな!この前、約束したじゃないっスか」


ブーブーと頬を膨らませる赤也に仁王が言う


「ガキっぽいぜよ」


仁王の言葉に赤也はガーン、と落ち込み考える


――やっぱ楓も、ガキっぽい奴は嫌いなのか?仁王先輩とか幸村部長のが良いのか……?


ッてかなんで楓の事考えてんだよ、オレは!ただのクラスメートだろうが

しかも楓とは今日初めて話したってのに……有り得ねぇだろ


悶々と考える赤也を見ていたテニス部レギュラーは赤也の変顔に忍び笑う

が、赤也は深く考えているため気づかなかった


「ッブン太先輩、ラリーしましょう!約束したんスから!」


思考の渦から脱出した赤也はブン太に詰め寄り叫ぶ


「めんどくせ〜

代わりにジャッカルに頼むわ!よろしくな、ジャッカル!」


「オレかよッ!?」


肌の黒い少年、ジャッカルがそう叫ぶのだった





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