学校が終わり、私は目的の本屋に向かっていた
最近買った本は全て読んでしまったし、家にある本は何度も読んでいるので飽きている
いい本があればいいな、と思いながら私は歩みを進めていた
本屋は学校から30分ほど歩いた場所にあるので、iPodで歌を聞きながらだ
(……あ、これ面白いかも)
何冊かパラパラと読み、何を買うかの候補が決まった
数冊を手に取り会計を済ます
携帯を開くと時刻は2時半を指している
(んー、立ち読みでもして時間つぶそうかな?)
家に帰っても暇だし、と楓は立ち読みをすることに決めた
雑誌から推理小説まで幅広く読んでいた私は、足に疲れを感じてきていた
(……そろそろ帰ろうかな)
本屋の窓からは夕陽の淡い光が射し込んできている
夕方だし、帰ろうと私は本屋を後にした
淡い夕陽の中を歩いていると、頭のなかに彼が浮かぶ
少し子供っぽいけど、テニスをする姿は真剣で……
―――真っ直ぐな彼
本当にキラキラ輝いていて、眩しくなる
(……私には、輝きなんて無いから)
自嘲する楓を、ただただ夕陽だけが見つめていた
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