そこはホテルの一室だ。一瞬でかたがつく。ホテルの窓から、透はしっかりと視界に当真を認めている。射線は通っている。当真にとって通っているということは透にとっても通っているということだ。だからどちらかがどちらかを殺す。はっきりと見つめ合ったまま透は銃口を外しそして、かかとを蹴った。銃痕は透を通り過ぎて背後まで貫通した。走らなくてはならない。次の場所を探すのだ。そう思ったはずの透がふと振り返る。
 当真は笑っている。

 久々の当真とのランク戦の戦績は10敗。完封負けだった。もはや悔しさすら感じないまま透は転がっている。当真は笑っていた。笑って透を撃ち殺した。透は手のひらを差し出し、握る。その手はさっきまで銃を握っていた。当真に通るはずの弾を撃とうとしていた。
「……だからいつまでたってもナンバー2なんだ」


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