下宿、始まりました
『下宿??』
母「そうなの!!この家無駄に広いしね♪」
父「会社もやめてきたんだ。」
実「もう勝手すぎる!!仕事やめるとか有り得ない!!」
『確かにビックリだけど…でも楽しそうじゃない??』
実「お父さんたちは年頃の女の子の気持ちわかってない!!緋菜もずっと他人と暮らすんだよ!?窮屈に決まってる…私は反対だからね!!」
母「実紅…」
実紅は今日あの後楢橋草平に会って下宿の話を聞いたみたい。
私も全く知らなかったからビックリしたけど、下宿って凄く楽しそうだなって思ったのにな…
やっぱり普通の女の子の実紅は知らない人と暮らすなんて気持ち悪いんだろうね。
確かに実紅の言うずっと一緒に暮らしたら他人に気を使わなきゃいけないから窮屈だと思う。
でも私普段から気を使わないからこんな気楽なのかも…
実紅の気持ちわかってなかったし慰めないと!!
『おばさんとおじさんは気にしなくて大丈夫ですよ!!実紅もきっとわかってくれます!!私、実紅と話して来ますね♪』
父「お願いするよ緋菜…」
二階の部屋に戻った実紅を追って私も階段を上る。
実紅の部屋の扉をノックして一言声を掛ければ中に入る。
実紅はベッドの上で体操座りしていた。
『実紅…??』
実「緋菜…。」
『実紅がさ…下宿嫌って言ったのなんとなくわかった。楽しそうなんて軽々しく言ってごめんね。』
実「緋菜は悪くないよ。わかってる…わかってるけど…」
『頑張ろう??私、実紅が辛い思いしないように助けるしさ!!あと、おじさんもおばさんも良い人だし、きっとここに来る人たちも良い人だと思うよ??』
実「うん。ありがとう。」
それから私は実紅が元気になれるように入学式に会った運命の人の話で盛り上がった。
この話をしてる時の実紅が一番キラキラして可愛いから。
─下宿当日─
『あぁー来たー』
健人「マジで住むのかよ〜」
実「てかなんで健人がここにいるの??」
健人「草平がここに下宿するって緋菜から聞いてさ。草平が緋菜に手出さないようにちゃんと注意しとこうと思って♪」
実「たまにはいいことするじゃん、タラシ♪」
健人「一言余計かな。」
『実紅と健人仲良しだね!!』
実「これのどこがよ…(笑」
草「あぁー実紅!!」
実「実紅…??なんで呼び捨て…」
草「だっておばさんもおじさんも池之内だろ??俺のことは草平でいいから!!」
実「呼ばないし…。」
草「てかなんで健人いるの(笑??」
健人「ここに住んでる緋菜の彼氏だからかな??」
草「マジで!?」
『うん、違うかな。健人クンあまり変なことばっか言ってるともう友達やめるからね。』
健人「ごめんって緋菜!!」
『……。あっ!!草平よろしくね♪私は実紅の従姉妹でここに一緒に住んでるから!!』
草「あぁ!!よろしく!!おっ、そうだ。こいつ今日俺の手伝いに来た友達の片桐隼人!!」
健人の余計な話でぐだぐだしちゃったけど、草平は人気ナンバーワンなだけにカッコよくて、そして優しそうでとても良い人そうだった。
そんな彼の後ろから紹介された人が出てくればこないだ下駄箱で見かけた人。
『あっ!!下駄箱でちゅー…!!』
健人「黙ろっか緋菜チャン…」
草「知り合い…??」
隼「……いや。」
健「有名人だから知ってただけだよな、緋菜??」
『あっ…はい。』
思わずちゅーしてた人だと言おうとすれば、あの時同じ場所にいた健人に口を押さえられ止められた。
後で耳元で小さく、ちゅーのことは言うなよ??と言われたので黙ってることにした。
草平は実紅の部屋から勝手にハサミを借りて健人も連れて引っ越しの準備をしてた。
私は実紅がぐちぐち言ってるのを隣で黙って聞いていた。
「助けてー!!」
その時下から大きな声が聞こえて私と実紅は顔を見合せた。
隣の部屋にいた男子三人も出てきてみんなで一緒に下に下りた。
玄関の前には綺麗なお姉さんが居て変な人につけられてるという。
その直後怪しい男が玄関から入ってきてビクッと肩を揺らした。
その男は慌てて弁解しここに下宿に来たというと、そこにいた綺麗なお姉さんもそうだという。
このメンバーで始まる下宿。
実紅には悪いけどなんだか楽しみです。
下宿、始まりました
(あっ、滝川直治です)
(私は谷山清佳よ♪よろしくね。)
(楢橋草平です!!こいつがここの娘の実紅とその従姉妹の緋菜)
(なんであんたが仕切ってんのよ)
20120913
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