リセット


「「練習試合…??」」

草「はい、今度の日曜応援に来てくれる人絶賛募集中です♪」

清「Of course.行く行く!!私、高校のときチアやってたから応援任せて♪」

草「あざーすっ」

母「サッカーか。いいわね。青春って感じだわ〜♪」

清「実紅チャンも緋菜チャンも行くよね??チア教えてあげるからさっ、ね??」

実「う〜ん…」

『私は風磨と約束したから行きますよ。』

草「え!?いつの間に!?」

『さっきね…』



晩御飯を食べる前に部屋でゴロゴロしてた時、携帯が鳴った。
それは風磨からの着信だった。


『もしもし??』

風「あっ緋菜??あのさ、今度の日曜暇…??」

『特に予定はないけど…。』

風「俺らさ、学校で練習試合あってさ。今回は1年も出してくれそうみたいなんだわ。」

『良かったじゃん!!』

風「うん、だからさ。緋菜応援に来てくんね??」

『わかった!!行く行く♪皆も試合に出るんだよね!?応援する♪』

風「ありがとな…//。じゃあまた学校でな。」

『うん、またね。』


という感じで草平より先に風磨に誘われてたんだよね。
風磨と草平の他に、健人も健も新太もいるし!!
友達の晴れ舞台応援に行かなきゃね♪
最近暗くなってばっかだったし、いい気分転換になるかな〜って。



滝「あっ、ひょっとしてリアルルリカも来る??」

草「みゆき??なんか家の用事あるみたいで来れないらしいんですよ。」

実「………。」



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─実紅 side─


滝「じゃあ、その友達は彼女のいる人を好きになってしまって自分をもてあましてる。そういうこと??」


今私は縁側にタッキーサンと並んで座り悩み相談にのってもらってる。
ただ、自分のこととは言わず、友達ってことにして話してるんだけどね。


実「自分にムカつくっていうか…情けなくなるっていうか…。疲れるって言ってる。」

滝「あっわかる!!嫉妬という感情は負のパワーが強すぎて通常よりも大量のHPを消費するからね。」

実「嫉妬??」

滝「つまり、嫉妬してる限り、そのキャラのレベルは上がらないってこと。」

実「じゃあ、どうすればいいんですか??」


タッキーサンは例のルリカのゲーム画面を私に見せて操作する。
画面には「リセットしますか??はい、いいえ」と書かれている。
タッキーサンは私に声をかけながら"はい"を押した。


滝「リセット。だん!!」

実「えー…。」



一人部屋に戻ってさっきの話を思い出す。
考えても考えても、これから自分がどうすればいいのかわからなくてとりあえずベランダに出て風にあたった。


実「はああ。出来るならしたいよ。リセット…。」


一人小さいため息が出る。
私はぼーっと夜空を見上げてたら隣の部屋からベランダに出る音が聞こえた。


草「俺じゃないって。みゆきが言ったんだろ。アルバム作るんだったらさ、こないだの写真いいと思うけどな。」


どうやらみゆきチャンと電話中みたいでいつもより声のトーンが高くて楽しそうだ。
あの笑顔を自然と作らせているみゆきチャンが羨ましくて妬ましい。
じっとその様子を見ていたら、楢橋が私のことに気付いて笑顔で手を振ってきた。
それさえも今はイライラしてしまうため、私は無視して部屋の中に戻った。



リセット


(こんなに苦しい初恋なら

もういっそ、リセットした方が

楽かもしれない)



20130114

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