元通り?
あの後、風磨は理由も聞かず私が泣き止むまで傍にいてくれた。
1時間授業をサボった私たちに皆心配そうにしてたけど、風磨が上手く誤魔化してくれたお陰で問われることはなかった。
唯一理由を知ってる健人と目が合うと優しく微笑まれたため恥ずかしくて俯いた。
それが可笑しかったのか健人は微笑みではなく笑ってきたので軽く肩を叩いてやった。
実紅とは何事もなかったかのように話してるつもり。
実紅は私があの場所にいたことを知らないから、私はバレないように平静を装っている。
けど、健人曰くお互いギクシャクしてるみたいでおかしいらしい。
私達って今までどうしてたっけ??
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─実紅 side─
今日は本当に暑くて、そろそろ夏が始まるであろうある休日。
私はかき氷を作りながら頭は違うところに意識があった。
あの後…私の頭の中から片桐クンとのあの事が離れない。
意識しないようにしても、それは逆効果みたいでみんなとも普段通りに出来ていない。
だから、緋菜ともずっとギクシャクしてるんだけど、緋菜も何かおかしい気がする。
何でかはわからないけど。
私の気のせいかもしれないし、私の態度も平静を装えてないからそう思っただけかもしれない。
とりあえずこのギクシャクを無くすために、緋菜にもかき氷を持っていって一緒に食べよう。
草「うぉ!!かき氷じゃん。」
実「何よ」
草「こんなの家にあるって凄くね!?」
実「そう…??」
草「なぁ、ちょっと俺にもやらしてよ!!」
実「いっいいけど…」
草「うほほー!!すげーちょー楽しー!!」
楢橋。
私が探していた運命の人。
けど楢橋にはみゆきチャンがいて、私の運命の人ではなかった。
草「こんなもんで…」
実「えっ、ちょ…こんなに食べれないよ。」
草「じゃあ半分こしようか。俺、部活終わったら食べるからちゃんととっといてよ。」
実「えっ、あ…(草)「じゃあ!!」…うん…。」
嵐のように去っていった楢橋。
私は呆然としていると、楢橋が出ていった扉から緋菜が入ってきた。
『実紅…??』
実「緋菜!!今かき氷作って持っていこうかと思ってたの!!」
『それ半分こでいいよ(笑。草平帰ってくる前には溶けちゃうしまた作ればいいでしょ??』
実「たっ確かに…。こんな暑い日じゃすぐ溶けちゃうね(笑!!」
緋菜と二人でかき氷を半分こして食べながら、久しぶりに普通に会話した。
やっぱり気のせいだったんだな。
私が普通に接してなかったからそう感じただけかも!!
それからは私たちは何事もなく今まで通りに戻れたんだ。
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─風磨 side─
奥「集合!!」
休日の部活。
もうそろそろ部活の終了時間になる時、いつも通り奥貫監督から呼ばれた。
奥「新人戦に向けて、日曜日の練習試合は1・2年生でスタメンを組む。練習試合とはいえ前哨戦だ。勝ちにいくぞ、いいな!!」
「「はいっ!!」」
奥「じゃあ解散!!」
「「ありがとうございました。」」
健「草平!!」
健人「今度の試合、俺ら1年も出してもらえそうだな!!」
草「あぁ♪」
新「応援に来てって誘ってくれない!?」
草「誰を??」
新「清佳サンっ♪」
風「えっ!?」
健「お前マジで好きになっちゃったわけ!?」
新「清佳サンにカッコいいところ見せるんだ〜♪」
草「あはは…。」
新太の奴マジだな…。
あんなポジティブに考えられるなんて羨ましいぜ。
俺なんて…相手に彼氏なんていないし、本人は好きな人すら自覚してないのに…。
健人「風磨っ!!緋菜誘おうな(笑」
風「なっ///!?」
草「じゃあ家帰ったら緋菜と実紅にも言っとこうか??」
健人「家帰ったら緋菜いるとか羨ましい〜♪」
新「そうだよ!!清佳サンと一つ屋根の下…ギャー!!」
健「新太ウルサイ!!」
元通り?
(風磨も緋菜と同じ家にいる
って想像した(笑??)
(いい加減にしろ、健人!!)
20130107
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