話してみたかった


隣には風磨。
一緒にバーベキューの食材の
ピーマンを切ってる。
向かいあって、私の目の前には小澤サンがナスを切ってる。
風磨の目の前は小澤サンの隣にいる実紅で同じことをしている。
そして私と小澤サンの間の誕生日席の位置に健人は何もせず見てる。


み「嬉しいなー」

実「え??」


突然そんなことを言う小澤サンにみんなは視線を向けた。


み「私、実紅チャン達と話してみたかったの!!」

実「私達と…??」

風「バカな話しかしてないけどな。」

『てか、私も小澤サンと話してみたかったんだー!!だってすっごく可愛いんだもん♪』

み「緋菜チャンの方が可愛いよー♪あっ小澤サンじゃなくて、みゆきでいいよ。」

健人「みゆきチャンはさ、俺みたいな男どう思う??」

『なんで健人がみゆきチャンって呼んでるのよ。』

健人「もともと、俺みゆきチャンって言ってたし。」

み「全然大丈夫だよ??私も健人クンって呼ぶね。」

『みゆきチャン優しー♪』

健人「いや〜、彼氏持ちとかもったいないわ。俺とかフリーなのにー。」

み「でも、私は私のことを大好きって言って大切にしてくれる草チャンが好きだから…。遊びは嫌だな。」

風「やっぱりたらしはフラれるんだな。」

健人「一途じゃなきゃダメかー。」


みゆきチャンと草平は羨ましいくらいお互いがお互いを思っている。
けど…それが実紅にとっては一番辛いこと。
突き付けられたこの現実に、実紅の顔が曇っている。
私には、みゆきチャンと草平の中を壊すことなんか出来ないけど、実紅の初恋のこの思いは叶って欲しいって思う。

何も出来ない自分が恥ずかしくて、悔しくて、私は話を反らすことしか出来なかった。


『タッキーサン早くこしょう買って帰って来ないかな??』

み「ね??」

草「何か手伝おうか??」

み「ありがとう、大丈夫だよ。」

草「そっかぁ。……これ、実紅だろ??」

実「えー??」

草「やっぱりな。」

実「やっぱりってどーゆーことよ!!」

草「雑すぎるんだよ。」

実「そんなことないよ。」

健人「いや、そんなことあるね。」

実「健人までー!!」


せっかく話を反らしたのに張本人が話に入ってきた。
実紅はやっぱり二人の会話を聞いて落ち込んでた。
どう話に入ろうかと悩んでたら隣から風磨に話し掛けられた。


風「下宿生活どう??」

『え??あっすっごい楽しいよ!!』

風「そっかぁ。良かったな。」

『風磨も遊びにおいでよ!!草平喜ぶよ♪』

風「緋菜は喜んでくれねーの??」

『え??』

風「なんでもない。よし、切った野菜持ってくか。」


風磨がボソッと呟いたセリフを聞き取れなかったけど、気にしなくていいのかな??

私は風磨と切った野菜達を運ぼうとしたその時、タッキーサンが帰ってきた。


滝「買って来たよ。………え、??ルリカ…!?」


みゆきチャンを見て、ルリカって名前呼んでは固まるタッキーサン。
みゆきチャンもルリカって名前には聞き覚えがないみたいで頭を傾げてる。

健と新太と風磨が焼いてくれている間、私たちはイスに座って待ち、さっきのタッキーサンが言ってたルリカの話を聞いていた。


滝「説明しよう!!ラブロケットはエロゲーじゃありません!!」


いやいや…エロゲー語られても困るから(笑)
なんて心の中でツッコんでみる。


滝「最強ヒロインルリカを巡る、愛と青春の大スペクタクル冒険ドラマと言っても過言ではありません!!」

草「タッキーサン。結構喋る人なんですね。」

滝「すいません。つい熱くなってしまって…。」

健「はいー出来たよ!!」

新「お待たせ〜。」

草「待ってたんだからなー!!」


3人が焼き終わったのを持ってきてくれた。
さぁバーベキュースタートです♪



話してみたかった


(はい、緋菜。)

(ありがとう!!)

(風磨、俺にもっ!!)

(わかってるよ。)



20121020

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