心配しすぎも問題です。






「困りましたネェ」


リビングのソファに座っていたら、珍しく千年公が溜息をつきながら帰ってきた。

・・・あれ、つかイヴと一緒にでかけた筈なのにイヴがいねーじゃん。


「イヴは?」

「開口が一番がそれですカv まぁそのイヴで困ってるんですけどネ」


なぬ? もしかしてイヴに何かあったのか…!?
(ちなみに千年公のぼやきは既に聞こえてない)


「実はそのイヴと途中で逸れてしまいましテ」

「は? なのに一人で帰ってきたんスか!?」


何やってんだよ! と危なく声を荒げそうになり、グッと喉に力を入れる。
千年公以外だったら躊躇いなく言うんだろうけど、流石に千年公にそんな事はいえねえよな。
(後が怖ぇし)

つか何時もの千年公ならイヴを一人残して帰ってきたりしねえのに、やっぱり何かあったのか。


「いえ、当然その後見つけたんですけドv」

「なんだ、やっぱり見つけてたのか」


ビックリさせんなよな。
危なく屋敷を飛び出す所だったぜ…。


「問題はその後なんでスv 運が悪い事にエクソシスト達に捕まってましテv」

「イヴーーーっ!!」

「まぁ待ちなさイv」


何そんなにノンビリしてんスか!
イヴがエクソシストに捕まったんだろ!?

なんて思うけどやっぱり声にはできず(実際口元まで上がってたけど)
俺の後ろ首を掴んだ状態で千年公がその先を口にしていく。


「エクソシスト達とてイヴに害を加えるような事はしな

「んなの分かんねーじゃねぇっすか!
俺らの情報を聞き出そうとしてイヴにあんな事やこんな事したり、
もしかしてそれこそ別のものを咥えさせてたり…!!」


ああああ! こうしてる間にも俺のイヴが汚される!!

俺だってまだあんな事やそんな事、更に別のものだってさせてねぇってのに…!!

こんな事なら昨日ついでにやっておくんだった!!



「・・・へぇ…私が汚されるよりそっちを後悔するんだ…?」

「・・・・・・・・へ?」



聞こえてきた声に恐る恐る視線を動かせば、そこには確かにイヴの姿。


「あ、あれ…エクソシストに捕まってたんじゃ…?」

「話は最後まで聞きしょうネvティキぽん」

「確かに一度は捕まったけど、逆に眠らせてきたら問題はなかったんだよね」

「は? じゃあ困ったってのは?」

「あ、そうそう。これ、見つけてきたよ」

「やっぱり落としてましたカv」


そういってイヴが手渡したのは綺麗に四つ折にされている布…つまりハンカチ。

って・・・オイオイオイ、まさか…。


「紳士たるものハンカチは必須ですからネv ご苦労さまでス、イヴv」

「いえいえ。――さて、ティキ・ミック卿」

「ちょっ、ちょっとまてっ!?
これは不可抗力…というか俺はイヴの事を心配して…っ!!」

「うん、心配してくれてありがとう」


俺の言葉にニッコリと笑顔を浮かべるイヴ。

その笑顔は一見怒っていないように見えるが、
実は通常より怒っている時に浮かべられるもので。

それを知っているからこそダラダラと滝のように汗が流れていく。
つか千年公何時の間にか居なくなってるし!


「だからお礼に――」

「はっ!? ま・まて! それだけh「二週間程勃つなv」嫌ァアアアッ!!」


( 心 配 )



「――すみませんねェ、ティキぽんv イヴに言霊を解除しないように言われてるんでスv」

「俺は心配しただけなのに…しかも二週間も…(シクシク)」

 
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