「コムイ、ただい「イヴちゃああああんっ!!」
扉をノックした後で中へと入れば、部屋の持ち主が情けない声と共に行き成り抱きついてきた。
最近、声色だけでこの男が何を言おうとしているのか理解できるようになった私は我ながら凄いと思う。
ちなみに今回のは間違う事無く妹関係。
「聞いてよー!!リナリーが、リナリーがああ!!」
「はいはい」
ほらね。と心の中で呆れ返りながらもべりッと長身の男を引き剥がしては、デスクの近くで珍しく怒った表情を浮かべている妹君へと事の真相を問い掛ける。
どーせこの男に聞いた所で自分の都合の言いようにしか話さないのだから、聞くだけ無駄だ。
「酷いのよイヴ!兄さんったら私とアレンくんが付き合ってるって勝手に誤解しては彼のイノセンスに変な修理を施こしたの!」
「イノセンスに…?!」
マジデカ。と言葉を告げたしながら机に項垂れている男に白い目線を向ける。
私も一応寄生型のエクソシストだから、それがどれだけ恐ろしい事なのかは痛い程分かる。
しかもそれが一方的な思い込みから着たものだとした日にゃぁ・・・・。
「「これ(だ)よね」」
リナリーと揃えるかのように親指を立てた手で自分達の首を真横に切る動作――つまりコムイに極刑を言い渡した。
「ひ、酷い!酷いよ君たち!!それでも僕の可愛い妹と恋人なの?!」
「恋人である前に同じ寄生型だし?」
「妹である前に大切な仲間だし?」
ネー。と声を揃えて言う私達はまさに息ピッタシ。
これならコムイ云々がいなくなっても十分姉妹としてやっていけるから安心して。
「僕だけ仲間外れはイヤァァアア!!」
「だったらさっさとアレンくんに謝って腕直してきて」
泣き叫ぶコムイに容赦なく蹴りを入れ外へと追い出すリナリーはある意味最強だと思う。
自分の部屋だというのに追い出されてしまったコムイは暫し部屋の外でシクシクと泣いていたいたようだけど。
全く気にもされず、且つ我が物顔で部屋の中で話し始めた私達に気がついては渋々と非番であるアレンの下へと向かっていったようだ。
ふー、やれやれ。
「けどこの間アレンと二人で一緒に街から帰ってきたよね?」
「ああ、それは偶然アレンくんが通りかかって荷物を持ってくれたのよ」
「へぇ、実はホントにリナリーの事好きだったりして」
と言った所で、ジャキッ!と扉の向こうでコムイ十八番のドリル一式を装備した音が聞こえた。
まだ居やがったのか。
「もうイヴまでそんな事言って!
・・・でもそういえばイヴもこの間アレンくんと二人で買い物してたわよね」
「んーあれは買い物って程じゃないんだけど、まぁ荷物は持って貰って助かったよ」
「ふふ、私よりイヴの方がアレンくんと仲良いと思うわよ。話も合うみたいだし」
「優しいし可愛いからつい甘やかしちゃうんだよね。まぁ私はアレン好きだよ」
・・・・・。
・・・・・・・・。
ガンッ!
「うおっ?!」
「なんで私の時には何も反応しないのかな?」
勢いよく脚で扉を開いては今だ其処にいる人物をグリグリと脚で踏み潰す。
普通逆だよね?
普通妹よりも恋人の時に反応するものだよね?
「いだだだだっ!!ごめんっごめんなさいぃぃ!!」
「はぁ、兄さんったら…。このままじゃ本当にイヴを取られちゃうわよ」
そうなったら絶交して一生口きかないからね。
とさり気なく恐ろしい事を言うリナリーはやっぱり凄いと思った。
( 私 を 見 て )
「やぁアレンくん、リナリーとイヴに言われて仕方なく直しにきたよ」
「また随分と凄いやられ言われ方をしたんですね…全身包帯グルグルまきで…」
「じゃあ時間がないから早速」
【ジャキッ】
「あ、あの…なんか何時もより危険物が増えているような…?」
「大丈夫大丈夫、ちょぉっと僕のイヴに近寄れなくなるように改造するだけだから★」
「ええっ!?なんでイヴさ「Go♪」ぎゃあああああっ!」