彼は何時だってそうだ。ヘラヘラ笑って、飄々として、本心を全く見せてくれない。
"貴方の全てが知りたい"。……なんて、陳腐な事を言うつもりはない、けど。
「ヘタレ」
「へ?」
「学無し、ホームレス、不潔」
ツラツラと文句を垂れれば、途端にキョトンとした表情を見せる彼。――でも、やっぱり、顔だけなんだ。上辺だけの困惑。表面だけの戸惑い。貴方の本心は何処にあるの?
「鬼畜ヘドニスト」
「……俺なんかしたっけ?」
怒ってよ。
呆れて、泣いて、困った顔を見せて。本心から、笑って。
「バカティキ」
そういえない自分が嫌で。
そう考える自分が嫌で。
「バカティ……」
それからハラリと涙が落ちたのと、唇に伝わる感触に息を呑んだのは、ほぼ同時だった。
「…………な、にっ」
「文句ばっか言うから仕返し」
「普通キスで、す……っ!?」
る。と次げる前に、再び塞がれる唇。離れた後で「今度は何」と尋ねると。
「縋りつく姿が可愛いくて抑えらんなかった」
そう欲しかった笑顔を浮かべるティキは、やっぱり、ズルイと思った。
Eu sou estúpida e covarde, ele