ミニスカート(ジョルノ)



「ジョルノ、何か言うことないの…?」

「えっ…?なにがですか?」

幼馴染み、ジョルノ・ジョバァーナは黄金色のおさげを揺らしながら首を傾げる。普段は仕事が忙しいとの一点張りでこういう風に一緒に出かけることも殆どなくなっていた。昨日珍しくジョルノから連絡がきて久しぶりに何処かに遊びに行こうと誘われたので羞恥だが春色のミニスカートを履いたりといつも以上にお洒落してみた。しかしその努力も実らず、彼には普段と変わりなく見えているのだろう。本当に残念だ。

一方、ジョルノは苗字の脚へと舐めるような視線を注いでいた。あの丈は少し短すぎる、彼女のぐんばつを他人に晒すのは嫌なのだがと、顔には出さぬものの胸中では複雑な思いが込み上げていた。

「名前、少し場所を変えませんか?」

「えっ…!?ちょ、ちょっとっ!」

名前の驚く様子も他所に、手をそっと握り賑やかな町を駆け抜ける。もちろん行き先はきまっている。いつも利用している学校の図書室へと足を運んだ。休日ということもあり、人の姿は見当たらない絶好の場所だった。辺りがしっとりとした古い本の香りに包まれている。

「あ、あのさ……ジョルノは、私と一緒なの見られるのが嫌…?」

ジョルノは、名前の言葉に耳を疑った。本棚から薄く黄ばんだ本を取り出そうとしていた指はピタリと静止する。薄暗い図書室で二人の間にしんとした雰囲気が漂う。

「ねえ、名前、あなた何か勘違いしてるようですね。」

本を机の上に伏せ、彼女の髪を一束すくい上げ露になった耳元へ唇を寄せ、全くの逆だと告げてみせた。誰にも名前の可愛らしい姿を見せたくないと、真剣な眼差しで訴える。

「それに、僕ミニスカートは好きですよ、脚が見えますし。でも履くのは僕の前だけにしてくださいね…?」

名前がみるみる顔を朱に染めてわなわなと震える様子に満足したのかジョルノは悪戯に笑ってみせた。


modoru

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