赤ずきんパロ-7話-
「あっ…は…ぁ、くっ…」
狼は額に脂汗を滲ませながら、苦しげに喘ぎます。
普段排泄にしか利用しないような場所に出入りしているのは、細くてしなやかな指が二本。
喚くほどの質量ではないはずなのに、想像以上の圧迫感が狼を襲います。
ミストレはこの後の行為で負荷をかけないよう、ゆっくり丁寧に穴を解していましたが、現段階ですら狼の表情からは苦色がありありと見て取れました。
「ふぅっ…うっ」
ミストレの指が蠢く度に、下腹部への異物感と羞恥に涙目になりながら、狼は声を抑えることが出来ません。
狼にとっては、まるで拷問に等しいような行為。苦痛を受けてもなお、その行為を甘受してしまっている理由を狼は熱に浮かされた頭で必死に考えていました。
「本当に嫌だったら、その発達した牙で一思いに俺の首を噛みちぎれ。生温い抵抗では真意をくみ取れないからね」
「わか、っ…てる…!」
口ではそう言いながらも、狼は牙を剥くことはおろか、逃げようとも拒もうともしませんでした。
先程まで敵として認知していた相手に組み敷かれ、自分が受け入れているのは、まるで恋人同士がするような行為。
獣である自分の特権を活かした逃げ道すらある状態で、この行為は昨日の強姦とはまるで異なる、合意の上のものだと言っても過言ではありませんでした。
ミストレは後孔を解すことだけは止めませんでしたが、狼が涙を滲ませようものなら、その涙を舌で掬い取り、黒髪を優しく梳きあやしました。
「苦しい?」
「ぅ…くっ…」
ミストレが狼を宥めるように、顔中に一つ、また一つと口づけを落としていきます。
狼は眦に涙を滲ませながらも、決して弱音を吐こうとはしませんでした。きつく目を閉じ、ミストレの背中にしがみつくように、腕を回し必死に何かに堪えるように眉間に皺を寄せます。
「でも、苦しいだけじゃないよね?」
「ああっ…!」
ミストレの指がある一点を掠めると、狼の背筋に電流が駆け抜けました。
あまりの快感に狼は荒い呼吸をつき頭を垂らすと、ふと自身がふるふると震え、蜜を滴らせているのを視界に捉えました。
「嘘だ…どうしてこんな……」
「おかしいことじゃない。男なら誰でもこうなる」
狼が混乱し、力無く首を横に振ると、ミストレは事もなげにそう返答します。
そのまま指で後孔の蹂躙を続け、頭をもたげている前方にも刺激を与えられ、狼はもう一たまりもありませんでした。
「あっ…い、ああぁっ…!」
強すぎる快感に身悶えしながら狼は泣きました。
ミストレが前に後ろに刺激を与える度に、狼は腕を回した白い背中に、鋭い爪でいくつもの赤い跡を刻んでいきます。
ミストレは痛みに眉一つ動かすこともなく、しばらく的確に狼が感じるところを攻め立てた後、ゆっくりと手を離しました。
「あ…ぁっ…」
あと一歩到達出来ない苦しさで、狼は小さく喘ぎます。
ミストレは狼のふさふさした耳をさらりと撫で上げると、両脇のすぐ横に手をつき、体勢を立て直しました。
「もう大丈夫かな。いくよ」
いよいよ押し当てられた熱い滾りの感触に、狼は息を飲みます。
そして、どれだけ苦しくても悲鳴だけは上げないよう、ぐっと歯を食いしばりました。
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