ベポside




「ベポもふもふ〜。」

名前が僕に抱き着き言った。

「そろそろ離れろよ。」

と名前の彼氏でもあり、ハート海賊団を率いてるキャンプテンが言った。

「いいじゃん。」

と名前がキャンプテンに向かって言った。

「あ、キャンプテン嫉妬だぁー。」

と僕は少し悪ふざけで言った。

「ーっ。」

と少し顔を赤くして、何も喋らないキャンプテンを見て、名前は笑った。

「そうだ!ベポ!散歩に行こう!」

と名前は立ち上がって笑顔で言った。

「散歩!いいよ!」

と僕は立ち上がった。

「と言うことで、散歩行ってくるね、ロー。」

と名前がキャンプテンに手をふった。

「行ってきまーす!」

と僕も名前の後に続けて言った。

「気をつけて行けよ。」

とキャンプテンが笑顔で見送ってくれた。



この後、あんな事がおきるとも知らずに…。

「いい天気だね、ベポ。」

と名前は、僕の斜め前を歩いて言った。

「そうだねー。お日様ポカポカ。」

と僕は名前に言った。

「島なんて、何日ぶりだろうね?」

とお日様と同じぐらいの眩しさで名前は笑った。

「んーと、2ヶ月半ぐらいかな?外の空気が新鮮だぁ!」

と僕と名前は笑いながら歩いた。



「そろそろ戻ろうか。」

と名前が僕を見て言った時だった、


バンッ


木陰から火薬の臭いが鼻を刺す。

「な、何!?…!!ベポ!!」

大きな音が鳴ってから、名前の声が響いた。

「大丈夫?名前。」

と僕なりの精一杯の笑顔を名前に見せた。

「ベポ…どうし…て。」

と今にも泣きそうな顔と声で僕に聴く名前。

正直、散歩したときから誰かにつけられていたのはわかってた。
だけど、名前の楽しみを邪魔したくないから黙ってた。

やっぱり、すんなり終わらなかったか…。

「名前を傷つけたら…僕が怒られちゃうからね。」

と今にも、飛んで行きそうな意識をおさえながら僕は言った。

「そんな…そんな事言える状況じゃないよベポ!!」

と名前は少し怒った口調で言った。

お腹が熱い…。
もう、そう長くはもたない。

と僕は悟った。


「名前…こんな僕だったけど役に立てたかな?」

と僕は名前を見て言った。

「なんで…なんでそんな事言うの?」

と名前が言った。

「こんな僕だけどキャンプテンや名前や皆の役に立てたかな?」

「ベポ!!」

僕の声を聴くたび名前は涙を流していく。

「こんな僕だったけど…皆と居れて…楽しかっし…嬉しかった。」

だんだんと喋りづらくなる。
正直、名前の顔がぼやけて見えない。

「だから…こんな僕からの最後のワガママ聴いてくれる?」

とぼやけて見えないけど名前が居るだろうと思う方向に向いて笑った。

「なんで最後なの!?いや!まだいっぱい喋りたいよ!笑いたいよ!まだ一緒に居たいよ!!」

と名前は喚いた。

「もし…こんな僕が生まれ変われるなら…名前と…キャンプテンの…子として…生まれて、もう1度…皆と暮らしたいな。」

と残っている力を振り絞って僕は言った。

「ベ…ポ…。」

最後に消えそうな名前の声を聞いて、何も聞こえなく、見えなくなった。

あぁ、本当に死んだんだ僕…。だけど…きっとまた会える…。

きっと、キャンプテン達の子供になって…。


ありがとう。




名前side


目の前でベポが動かなくなった。

泣き崩れるのをおさえ、電伝虫でクルー達を呼んだ。

「名前。」

クルー達の後ろからローの声が聞こえた。

「ロぉ…」

とまた流れくる涙を拭き、ローを呼んだ。

「ベポが…ベポが…。」

とまた涙が止まらない私にローは

「わかった。落ち着け、船に戻ろう。」

とローは優しく私に言った。
私は黙ってローに連れられ、船に戻った。

船に戻った私は、さっきの出来事をローに話した。

「きっと、ベポはそいつが付けて来たのはわかっていた。」

と私の話を聴いてローはそう言った。

「でも、そんな事私に一言も。」

「ベポは、名前との楽しい時間を壊したくなかったんだ。」

とローは私に言って悲しそうな微笑みを浮かべた。

「私…そんな、気づかずに呑気に散歩して…私が気づいてたら…こんな目に会わなくて済んだのに…。」

とまた私の目から涙がこぼれる。

「そう、自分を責めるな、な。」

とローは少し戸惑いながら私に言った。

「今更、そんな事悔やんだって、ベポは戻って来ないんだ。ベポに別れを言いに行こう。」

とローが言った。
私は黙ったまま頷き、ベポの元へと行った。

ベポの所へ行くと、棺にベポとクルーから送られたたくさんの花が入っていた。

「ごめんね…ベポ。」

と私はベポに謝り、ベポの顔の隣に花を置いた。


『だから…こんな僕からの最後のワガママ聴いてくれる?』


『もし…こんな僕が生まれ変われるなら…名前と…キャンプテンの…子として…生まれて、もし1度…皆と暮らしたいな。』


急に私の頭にベポの言葉が流れた。

「ワガママなんかじゃないよ。…私だって…もし1度…ベポと暮らしたいよ、笑いたいよ。」

と私は言ってベポに触れた。
私の目の錯覚だったかもしれないけど、一瞬だけベポが微笑んだ気がした。

「名前…何を言っているんだ?」

とローが私に聴いた。

「あのね…ベポがね…」

と私はベポが最後に残した言葉をローに伝えた。


「そうか…。」

とローは、ベポを見た。

「じゃ、するか?」

とローが私の顔を見た。

「何を?」

と私はローに聴いた。

「結婚。」

とローが私の手を握った。

「そろそろかなって考えてたんだが…タイミングがなくてな。ベポが作ってくれたタイミングだ。名前…結婚しよう。」

とローが私の顔を見た。

「そうだね。ベポのワガママのためにも。」

と私は微笑んでローの手を握り返した。



―3年後

赤ん坊の元気な声が船に響いた。

「元気な男の子。」

と私はその赤ん坊を抱きしめた。

「名前はどうすんだ?キャンプテン。」

とシャチがローに聴いた。

「もうとっくの昔に決まっている。」

とローが微笑み私を見た。

「そうね。」

と私も笑った。

「で、なんだよ。」

とシャチが早くという顔で聴いてきた。
私とローは微笑んで

「「ベポ。」」

と答えた。

シャチはさっきの様子とは真反対で、クルー達の所へ走って行った。

「これでベポのワガママを叶えられた。」

とすやすやと眠っているベポを眺めた。

「これでまた、一緒に暮らせる。」

とベポの頭をなぜて言った。




「「お帰り、ベポ。」」







もう1度

(また一緒に笑おうね)








―――

はい、初めてのShortです。
まさかの死ネタでしたね。
ベポ好きの皆さんすいません。



もう1度 (ベポの死ネタ)
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